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渡航目的の再考

みなさん、こんにちは!4期の齋藤優太です。
タイトルにもありますが、4期アメリカコースは4-5月の間渡航目的を再考していました。というのも、これまであまり深く考えることなく求められるクオリティを目指して突っ走ってきてしまい、本当は自分たちはなぜ渡航したいのか振り返ってみたときに、わからなくなってしまっていたのです。一時は二人ともあえて今渡航する意味はないのではないか、といったところまで立ち止まってしまい、毎回のミーティングではそのようなことばかり話し合い、具体的な進捗を出せずにいました。そこで前回書いたように自己分析活動に参加したり、先輩に相談したり、本を読んだりして考えた結果の今の状況を文章にしてみたいと思います。

 

自分はEPATSに入った最初の頃、絶対このチャンスを掴んでこれまでで一番クオリティの高い活動・渡航を作りたいとの意思で邁進していました。しかし、その過程で何が求められているのかを自分で勝手にでっち上げそれに向かって進んでいた自分に気がつきませんでした。そんな中ともに渡航する猪股が疑問を投げかけてくれたり、さらに他の大学の人との対話の中から自分がなんで渡航したいのかという自発的な動機で動いていなかったことにようやく気がつきました。そうしてそれがEPATS以外の活動にも広がってしまい、今大学にいるのは何でか。今勉強しているのは結局何がしたいからなのか。といった疑問を抱いてしまい、完全に停滞期に入ってしまったのです。その停滞期ではこれまで自分の気持ちをないがしろに勉強してきましたがそれをやめ、一度立ち止まって、根源的な問いへの自分なりの答えを考えました。

 

まず、自己分析活動を通して、自分がこれまで他人の評価を気にして活動してきたこと、自分に自信がないからこそある分野に早くから取り組み自分の力を証明したいという外的な動機で動いてきたことなど、自分ではコントロールできないような要素に束縛されて活動してきたことを再確認しました。そして、いろんな人との対話や読書そして自分なりに考えたりした今、まだ確信は持てていないのですが、これからの人生で自分は自分だからこそできる貢献・アプローチの仕方でどんなに小さくてもいいので社会に影響を与えていけるような人になりたいと思っています。なぜか。それはそうすることによって自分がいないと世界が回らない、自分がいないとこのコミュニティは成り立たないといった”自分は必要とされている”ということを感じられるからです。これまでいくつかの団体に所属してきた中で自分が必要とされていると感じることができたときに自分は充実感を感じることができました。また、これまで社会に影響を与えたいといって活躍している人たちがなぜわざわざ社会に影響を与えたいと思っているのか理解できなかったのですが、結局は社会に自分が必要とされているということを自覚できることによって一瞬一瞬を充実感を持って生きることができるからなのではないかと思うようになりました。本当のところはわかりませんが、自分はそう考えています。ただここで注意しなければならないのは自分が他者より優れていると思い、傲慢になってはいけないということです。それぞれ一人一人の人がその人にしかできない役割を担い社会が成り立っているのであってそこに優劣はありません。そこに自分が勝手に価値尺度を持ち出して順序付けを始めてしまえば、またその尺度に縛られたり、安易な承認を求めたりして、充実した今を生きれなくなってしまいます。

 

さて今このように、自分が活動する軸を形成しつつあるのですが、(もちろんまだこれが自分にとっての正解であるかは確信を持っていないですし、まだまだ多様な考えに寛容でいようと意識はしています。)そこで、”自分だからこそ社会に与えられるもの”・”自分が目指す貢献”とは何であるかが今の自分自身に対する問いになっています。そしてそれを探しに渡航しようと今考えています。確かにこれまで述べてきたように今はマーケットデザインやオペレーションズリサーチ、そして統計学の医療への応用に興味を持っていますが、これらの分野について自分はほぼ何も知らない状態と言えます。ただ漠然とアメリカにおいて最先端の理論研究や実社会への応用がなされているのを憧れるのみです。そんな中、各分野の最先端にいる人たちが、その分野にどのような可能性を抱き、何を目指して活動しているのか。どうして自分はその実現に向けて今のアプローチを取るに至ったのかを聞いて行きたいと思っています。そうやって対話を重ねる中で、いま興味を持っている分野の最先端のその先に自分が影響を与えることができる自分なりの実現・自分なりのアプローチを思い描きたいと思っています。正直、最先端の現場にそれは自分にとっての貢献・実現ではないと失望することもあるでしょう。ただその一方で、自分が単に調べただけでは考えもつかないようなアプローチの仕方や可能性も見いだすことができるのではないかと思っています。そうやって色んな人の考えを持ち帰ってきて自分なりの実現とは何か、自分なりの貢献とは何かを構築したいのです。その実現を目指し今の自分を一生懸命磨いてく過程の活動に充実感を感じることができるようになれれば、自分としての渡航目的は果たせたと言えるのではないか、と思っています。
このようにやっと長いトンネルを抜ける糸口をつかめそうな気がしてきています。ただ気づいてみればあと2ヶ月半。立ち止まっていた時間は戻ってこないのでこれから自分にできることを着実に進めていきたいと思っています。

 

EPATS4期 東京工業大学経営工学系2年 齋藤優太

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