4期ヨーロッパコースの渡辺です。
さて、8月15日はドイツの祝日です。
そのためなのか、朝から街の中は鐘の音が鳴り響きました。
訪問予定の新市庁舎は本日閉館と言われてしまったので、「フラウエン教会(聖母教会)」に訪問先を変更しました。
こちらの教会はミュンヘンの顔とも言えるこの大きな二つの塔を持っています。
とても大きく、カメラではなかなか納め切ることができません。
内部は22本ほどの太い柱が立ち並び、真ん中にはキリストの巨大な像が置かれています。
また、建物の窓にはステンドガラスが敷き詰められており、荘厳な雰囲気を醸し出していました。
この教会は、悪魔の足跡という伝説があり、足跡とされているところから教会の中を見ると柱で窓が隠れて、まるで窓が見えなくなるという仕組みだそうです。
なぜそのような仕組みにしたのかというと、この教会を立てる際に悪魔の協力を仰いだそうで、その時に悪魔から教会に窓を作らないことを条件に提示されたからだそうです。
聖歌隊の歌声をしばらく味わってから、新市庁舎へ向かいました。
本日は中には入れませんでしたが、英国のビッグベンや英国国会議事堂を代表するネオゴシック建築の様式を知ることができました。
ネオゴシック建築の特徴として、高い塔や尖塔アーチ、ガーゴイルがあげられ、
この新市庁舎でも壁面には数々のガーゴイルが点在していました。
街中にこのような歴史ある建物が数多く残り、現在も修繕を重ねていることを考えるとドイツの人々が歴史と共存し、後世に残そうしていることが分かります。
午後からは、ミュンヘン工科大学の訪問です。
ミュンヘン工科大学のph.Dの学生さんにお会いし、ミュンヘン工科大学を案内していただき、研究環境・学習環境がどのようなものなのかについて教えてもらいました。
はじめに訪問したのは、ミュンヘン工科大学の2ndキャンパスと言われるGarching Forschungszentrumに訪問しました。
このキャンパスは1868年に作られたもので、研究施設の多く集まるキャンパスです。
中でも、ドイツで初めて原子ビームを研究する設備を整えたとしてドイツ国内で名前を轟かせています。
こちらは、機械工学科と化学科です。
学部生からph.Dまでの学生がここで授業を取り、実験をしているそうです。
案内してくれた学生の方は数学科に所属しているため、数学科を案内していただきました。
数学科の建物には、数学科の学生計算した美しい曲線を描く滑り台があります。
なんとも、数学科らしいです。
4階で授業があった場合、階段で降りるのは面倒なので滑り台を使うそうです。
私も、挑戦してみましたが、結構な速度で落ちていくので1階に着いた時は吹っ飛ばされるのではないかとドギマギしていましたが、つく頃にはしっかり停止できるように調整されていました。
彼女の研究室と施設にもお邪魔しました。
ミュンヘン工科大学では、Ph.Dの学生を含めた学校関係者は1年で30日の休暇が取れるそうで、彼女も含めそれを消化するそうです。
しかし、多くの学生が勉強熱心で、授業は真剣に聞き、テスト期間は徹夜で勉強詰めになることもあるそうです。
彼女の研究は、パーキンソン症などの治療に結びつくもので、脳の細胞の再構築を行うものです。
仕組みとしては、病に侵された細胞から他の細胞へつながる神経を通じて死んだ細胞が次々とその他の細胞に伝わっていくのを阻止するということだそうです。
各研究室には学部生を含め10人くらいが所属しています。
これは研究室の写真で、開放的な空間が広がっています。
本日は休日なので、誰もいません。
また、実験室にも入れてもらいましたが、そこには最新の機材が多く並んでおり、研究環境が十分に整っていることがわかりました。
資金面では、各研究室は国からの潤沢な支援を受けているため、資金に困ることは少ないようで、
機械系などはBMWから出資を受けているそうです。
彼女曰く、Masterにはほとんどの学生が上がり、機械系だと50%、化学系だとそれ以上がph.Dにあがるようです。
ミュンヘン工科大学は、想像していたよりも大規模な大学で、施設も充実していました。何より、日本にいるときに海外の学生は意欲的に勉学に励むと聞いていた印象を覆されることがなく、彼らの勉強への姿勢の違いを改めて痛感しました。
そのあと、ミュンヘンの中央にあるミュンヘン工科大学のメインキャンパスを訪問しました。
メインキャンパスにはミュンヘン市内を一望できるカフェテリアが屋上にあり、一般市民の方から学生まで幅広く利用できるようです。
その後、彼女と夕飯を共にしました。
彼女からは、ミュンヘンの生活や文化について教えてもらいました。
例えば、祝日というのは地域、宗教により異なるため、他の地域では違う日が祝日であることがよく起こるそうです。
また、伝統衣装は田舎では祝日に着ることが多く、都市部ではオクトーバフェストなどの時に着るようで、
日本の着物や浴衣の現状とよく似ていると感じました。
また、ドイツはそもそも州が合併してできている国なので、ミュンヘンではバイエルンの州長が存在します。
彼らは、土地を特権として所有しており、古くからの慣習が現在まで残されているそうです。彼女曰く慣習として残すのはいいが、特権的に土地を所有するのは良いことだとは思っていないようで、古い慣習は変えなくてはいけないところが多く存在すると言っていました。
一方日本でもこれと同じように、天皇が存在し彼らのために皇居が日本各地に点在しています。
これに対して変えなくては、と感じたことはありませんでしたが、しっかりと自分の考えを持っておくことは大切であるのではないかと考えさせられました。