今朝、ボストンからワシントンD.C.へ移動してきました。
空港からホテルまでの道でも、さすが首都!という綺麗さを感じました。
天気もとてもよく、気温は30度前後ですが日本と違い湿度がそこまで高くないので、過ごしやすく気持ちが良いです。
今日はワシントンD.C.での最初の文化施設訪問として、International Spy Museumに訪問してまいりました。
チケットを購入したあとエレベーターで展示フロアに入場していきますが、アトラクションのような雰囲気でワクワクしました。
映画007シリーズで実際に使用された車にも出迎えられ、着いたフロアではまず入場客もスパイになりきってもらうため、身分を隠すための情報が与えられます。
進んでいくと、「スパイ養成学校」として、実際のスパイの変装の手口などを学べる展示を見ることができます。
ここまでは遊びのようで見にきていた小さな子供もすごく楽しそうにしていましたが、実際は世界各地のスパイの歴史をきちんと追うことができる施設でした。
実際にスパイ道具として使われていたものの展示はすごく豊富でした。
中でも、ソ連国家保安委員会が実際に開発し暗殺に使っていたという毒針を発する傘は興味深かったです。
またコートのボタンのうちの一つがカメラになっていたりというのも、話として聞いたことはあっても、実際に見てみると本当にすごいと感じました。
また特に興味深かったのは、日本のスパイとして、NINJA(忍者)の展示がたくさんあったことです。
海外の博物館に行くと楽しいことの一つは、こうやって自分の母国の文化を客観視できることだなと思います。忍者は、日本人の私にとっては今はもういないし特に興味を持つ対象というわけでもなかったですが、NINJAという言葉は通じるし、こんなに格好良く展示されていて、海外からの視点を認識する面白い体験でした。
また、映画イミテーション・ゲームでアラン・チューリングが解読にせまるところを描かれていた、暗号機「エニグマ」の展示には興奮しました。エニグマは第二次世界大戦の際ナチスドイツによって使用されていた暗号機およびその暗号のことです。映画ではチューリングの解読機実装における働きについてをクローズアップしていますが、実際の解読には様々な角度からのアプローチが相互に不可欠であり、その中で、スパイも重要な役割を担っていました。
実際にエニグマの解読を体験する展示もあり、とても良い経験になりました。
これは戦時中の話でありスパイの歴史も昔の話ではありますが、今も高度な国家間のセキュリティへのニーズは高く、技術的な面で追っていきたいと思いました。
この博物館は歴史に忠実な部分も多くありながら、最後はカルチャーとしての展示も充実していて、アメリカの国としての感覚を少し理解できたような気がします。
誰しもがスパイや公安などに憧れた時期があったかと思います。しかし、実在した諜報員のインタビューや、その際に用いた道具などを見るにつれ、その気持ちもなくなりました。
歴代のスパイの中には脅されてならざるおえなかったものや、バレて死刑になる例、また例え成功したとしても常に危険と隣り合わせになっていた場合がほとんどだったそうです。
こう言ったことからスパイというものは肉体的にはもちろんですが、精神的にも辛いものだと感じました。決して憧れなどと言った安易な気持ちでつける職業ではないと思います。誰も信じることができない、常に孤独と言った気持ちは想像し難いです。しかし、それらを乗り越えることによって冷戦が開幕せずに終わり、何百万といった命を救うことができたのはこれ以上にないことではないでしょうか。
ミュージアムに展示されていた道具や経験談などは1900年代、冷戦時代までがほとんどで最近の事情についてはほとんど触れていませんでした。もちろん普通に考えればそれが当たり前なのですが、実際最近のスパイ活動については気になってしまいますよね。
これからはスパイ博物館で学んだスパイとしてのマインドの部分もこともちょっとは意識しながら、生活してみようと思います。