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12期春渡航アメリカ(2日目)・Apple 尾花功一さん

12期の勝隆一郎です.

本日は現在Appleでプロダクトデザインエンジニアをされていらっしゃる,尾花功一さんにお会いしてきました.お会いする約束をした後に知ったのですが,なんと私の所属している研究室の先輩(!)でいらっしゃるということで,大変驚きました.世間は狭い.

クパチーノにあるAppleのオフィス内にあるカフェでランチをご一緒させていただき,アメリカでの仕事のことや,これまでの経歴,ハードウェア設計者の将来の話など様々なお話を訊かせていただきました.

尾花さんは元々日本の企業でハードウェアエンジニアをされていたのですがアメリカで働きたいという思いから社内の制度を使いアメリカに赴任し,その過程で今の職場に転職するきっかけがあり,現在に至るそうです.

働き方に関する話ではアメリカと日本の違いをひしひしと感じました.
他のアメリカのテック系企業がソフトウェア開発に重きを置いているならば,Appleはデザインを重視する風土があり,デザイナーの発言力が強いそうです.
デザイナーが独創的なデザインを示し,尾花さんらハードウェアエンジニアがあらゆる手段を試してそのデザインを実現する.その過程で実現不可能であるとなれば,デザイナーと話し合いを行うというような製品設計のやり方であるそうです.
デザイナーの無茶をエンジニアが試行錯誤して実現する,その過程で新しい技術や知見が生まれるということを聞きました.やはり苦労があると新しい知見は生まれるんだなと,アメリカの働き方,理念,そういったものはすごく魅力的であると感じました.

指揮命令系統に関して,トップダウン,すなわち社長などの上層部が絶対的な指針を示し,下層部のエンジニアがそれに従うというやり方が一般であるそうです.日本は比較的ボトムアップな傾向があり,大きな違いであるなということを思いました.
個人的には,製品開発に関わる全ての人が同じ理念を持って動けるという面で,トップダウンの開発方式はよりよいものを作れるやり方だなと思います.
また,アメリカは職の流動性が高く,転職も,「トヨタからApple」とか「AppleからSpace X」みたいに全く違う業種の転職も多いそうです.技術を持っていれば多角的にいろんな分野に挑戦できるというのは不安定ながら,エンジニアとしては楽しそうだなということを思います.

近年流行っているAIについてもお話をしました.
今後,AIが現実社会に浸透していくとすればデバイスはどのような形になるのか,それは個人的に気になっています.
元がハードを売って成り上がった企業だけあって,Appleは技術をデバイスに落とし込むのが上手い企業であると感じているので,AIのデバイスへの使い道に関する意見をAppleで働いている方から聞けるというのはとても有難いことでした.

現状,世に出ているAIの多くはスマートフォンなどでアプリケーションとして動作するものが中心で,AIが物理空間の中で直接機能するデバイスはまだ多くない印象です.そんな中で,自動運転は数少ない,AIとデバイスが上手く融合している製品だと思います.
一方で,自律して移動する人型のAIロボットが実現すれば,自動化を前提として設計されていないデバイス,例えば古い車や工場の手作業ラインなども,自動化できる可能性があるというお話を伺いました.人間向けに作られた環境にそのまま入り込めるという点で,非常に合理的なアプローチであると感じました.
これは自分にとってとても新しい知見であり,未来を見据えたときのAIの活用先としても納得感のある考え方でした.

プログラミング,ソフトウェア開発の領域ではAIが人間の仕事を代行している状況であるとすればハードウェアエンジニア,機械設計者は今後どうなっていくのかというお話にもなりました.
お話を訊いた後での個人的な意見として,AIによる代替がハード設計の領域に侵食してくる可能性は低いと感じています.
というのも,ハード設計は
・世に出る製品が少なく,学習させるデータが少ない;Appleでも年間10製品程度,世に出たものは数百程度しか存在しない
・多くの領域の人を巻き込む;デザイナーとの協議や部品の選定などはただ単に要件定義するだけでは不十分で,定義された要件の他に多くのすり合わせが必要である
というような点から,なかなか代替されにくいのかなという意見です.
尤も,未来で何があるか分からないのが現代のテクノロジーであると思うので,自分の専門,機械設計の領域が安泰であるという保証は全くないのですが.

基本的にエンジニアというとソフト系の方が多く,ハードをやられている方とお会いする機会は少ないため,今日お会いした尾花さんとの時間は大変貴重な時間であり有意義でした.

まだアメリカに来て1日ですが,今のところとても魅力的なところで,いつかアメリカで活躍したいという思いは渡航する前より高まってきているのを感じます.アメリカは仕事に情熱持つ人も多く,そういう風土にいることでより良いものを作れそうな気がします.

 

ランチの後は尾花さんの車に同乗させてもらい,Apple Park Visirtor Centerまで移動してそこでお別れしました.なんとテスラで自動運転を実演してもらいました.出発から到着まで一切運転に介入すること無く,車線変更や右左折をこなして目的地までたどり着いてしまいました.現代の自動運転技術にはとても感心します.

テスラの自動運転といえばテキサス州でRobotaxyが運用されているのですが,今回行く予定が無く,体験できなくて残念だなぁと思っていたところだったので,思わぬところで体験出来て嬉しかったです.今後,同じく自動運転のWaymoに乗る機会もあるため,そちらとの比較もしてみたいと思っています.

Apple Park Visirtor Centerは,日本にあるAppleStoreのデカい版みたいなところなのですが,特筆することとしてApple本社の模型があって,iPadを用いて見るとARで建物の構造や説明を見ることが出来ました.
模型の手触りがmacのような梨地の金属って感じだったのでアルミで出来てるのかな?って思います.こんな3次元曲面をどうやって加工したんでしょうか.ものづくりをやっていた身分ではそういうことが気になります笑

明日は人とお会いする予定はなく,コンピュータ歴史博物館やシリコンバレー周辺の文化施設等を訪問しようと考えています.

それでは.

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