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3期アメリカ14日目

本日の訪問先の一つ目はCunningham Piano Companyです

Cunningham Piano Companyは、1981年にアイルランドからアメリカに移住したPatrick J。 Cunninghamが創立したピアノメーカーで、フィラデルフィアを拠点に置き、フィラデルフィア一帯では、最も有名なピアノメーカーの一つです。
フィラデルフィアという場所は、ニューヨークやワシントンDCからのアクセスも良いというのが、彼がフィラデルフィアに拠点を置いた大きな理由だそうです。
とはいっても、今回ニューヨークからの移動でかなり大変ではあったのですが
それでも、半日で往復できるので、かなりアクセスはいいと思います。

設立当初は、ピアノ製作をメインでやっていましたが、世界恐慌の後
自身のブランドのピアノの製作だけでは経営が難しくなってきたため、
ピアノ修復産業への進出を果たします。
Cunningham Piano Company の特徴は自らのブランドだけでなく
他の最高級ピアノブランドの修復を行うところにあります。

実はこの最高級ブランドの中に、日本のYAMAHAも入っているのは嬉しいですね。

今回は、残念ながら修理工場の方は閉まっており、見学することはできなかったのですが
ショールームの方を見せていただき、実際にピアノを弾かせていただいたり
演奏も交えて、Cunningham Piano CompanyのRich Galassini氏と
ピアノについての話をさせていただきました。

まずお話したのは、日本屈指のピアノメーカーである
YAMAHAのCFXシリーズから、CF4を実際に演奏させていただきました。

Rich Galassini氏曰く、YAMAHAの中でもこのシリーズは特にお気に入りだそうで
音の温かさが特徴だそうで、実際に弾いていただき、
その温かい音色を実感することができました。

後で、BösendorferやSteinwayも紹介するのですが、
フルコンサイズの、そういった世界的メーカーを
一度に弾き比べをできるのも貴重な事ですし
それに加えて、Rich Galassini氏はかつて、Steinwayに勤めていた技術者であり
そんな方のお話を聞くことができることさえも、
非常に素晴らしい経験をさせていただきました。

Bechstein、Steinwayと並んで世界三大メーカの一つに数えられるのが
ドイツのピアノメーカーのBösendorferです。

Rich Galassini氏に説明を聞くより、演奏した方が
その特徴が分かるということで、こちらも少し弾かせていただいたのですが
音が上に抜ける感じというか(正確な表現かはわかりませんが)
明らかに、ついさっき弾いたYAMAHAとは全く異なる感覚でした。
実際、私自身SteinwayやBechsteinは演奏経験があるものの
Bösendorferは生まれてこの方初めて触れたので
それだけでも非常に感慨深いものがありました。

Cunninghamについてのお話をしていただいた後
アメリカという国にとってのピアノの価値について話すことができました。
現在アメリカには、それこそ何百ものピアノメーカがあり、
やはり、ラジオやテレビショー或いはミュージカルといった
エンターテインメントが、アメリカのピアノ産業を引っ張ってきたそうです。
そして、演奏される曲や環境によって少しづつではありますが、
ピアノの形状も変化しており。
例としてRich Galassini氏があげていたのは
カルフォルニア州のピアノは、(特にアップライトは)少し大きい設計となっているそうで
理由としては、以前にも紹介しましたがラグタイムなど
クラシックに比べて比較的幅広い音域を激しく演奏する曲を多く
取り扱うためだと言います。
Cunningham Piano Companyも世界中にシェアを広げるために、そういった
細かい変化を施してきたそうです。

アメリカにおける音楽とピアノの発展が垣間見えたとともに、
YAMAHAがこちらでも愛されていることが分かり、
日本人として誇りに思うことができた訪問でした。

フィラデルフィアから電車とバスを駆使してニューヨークに戻りその後Cooper Hewitt Smithsonian Design Museumに訪問しました.この美術館はアメリカ国内で見ても世界的に見ても「デザイン」を取り扱うという大変珍しい美術館となっています.ここで訪問を通し,明日のPratt Instituteの理解が深まることを目的に訪問しました.

最近アメリカの各都市を日本でおけるどの町に近いということを考えながら都市を回っております.例えば高級な店の多いワシントンは銀座・日本橋に似ていて,大衆の文化にあふれ陽気な人も多いおロサンゼルスは大阪に似ていて,多くの観光客にあふれ若者も多いニューヨークのタイムズスクエアは渋谷に似ているといった具合です.ではフィラデルフィアはどのに似ているのかなって考えてみました.今回は訪問先の関係もありダウンタウンよりを散策しました.観光客はもちろんのこと,白人は一人もいないといった地域でした.僕が日本にいる間にこういう場所は見たことも訪れたこともないと思いました.廃屋と空き地が並び,道路はがたがたで,ホームレスの人にあふれているというような町でした.「日本は裕福な国だ」とアメリカの人が良く言うのを聞いて毎回疑問に思っていました.最先端の研究を見てみるとアメリカの研究のほうが進んでいるし,経済だって今は勝てそうにない.しかし,日本はどんな街でもある程度の生活が保障されているから,世界的に見て「貧しい人」が少ないから「お金持ちの国」に見えるのかと思いました.

Design の根幹にあるのは「日々の中にユーザーから見た問題を解決するものを作り出す」というものであると学習してきました.これを実現するための方法の一つが「デザイン思考」であり,多くの変化を遂げたい企業が取り入れることにより「自分たちの問題解決」をしています.フィラデルフィアのような観光客がいかないような多くの地域ですさんだ状態になっているのだと思います.Cooper Hewitt Smithsonian Design Museumではそんな地域に対してどのようにdesignが貢献していくのかも展示しています.紹介されているものの一つがカナダトロントのunderpass parkの建設です.トロントのダウンタウンにある既存の高速道路の橋の下に位置する場所はもともと忘れ去られた孤児にあふれていた場所でした.しかし,一人のデザイナーの力により,多様な娯楽や社会的機会を提供する場に変化しました.この変化要因となったリボン上の壁に込められたデザイナーの意図と発想の方法について学習しました.このことから都市計画とデザインが密接に結びついていることを確認しました.

ほかにも,ユーザーの心情に合わせたデザインの傑作の数々を見学しました.

(写真7)

貧困、飢餓、エネルギー、健康、および恵まれない世界の人々の問題を解決するために、世界の「他の90%」の問題に対処するようになりました。(Prett InstituteのHPより)

明日の見学を通して残りの90%の貧しい人を救う手立てとなるかもしれない「デザインの力」について考えていきたいと思います.

追記
Cooper Hewitt Smithsonian Design Museumにおいて一つ本当に悲しかったことがあります.ポータブル音楽プレイヤーの初代としてiPodが紹介されていました.sonyのwalkmanの紹介がありませんでした.日本のものつくり業界も「日本過去ののブランド力」にこだわっていると世界に取り残されてしまうのではないかと思いました.
参考資料
トロントの都市計画について
https://www.asla.org/2016awards/165332.html

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