5期では後期から、渡航に向けて文化学習を始めています。
進め方に関しても4期をはじめとする先輩方と話し合いながら試行錯誤し、今回は2回目の文化学習として、自分の興味を持ったことを調べてきて知識を共有し、その上で立てた問いに対してディスカッションを行うという方法をとりました。
以下、ディスカッションから考えたことやそれぞれの内容について紹介していきます。
(輿石)
私は今自分が最も興味のある文化的要素として音楽を題材にし、「日本の音楽は文化形成に貢献しているか?」という問いを掲げました。
その上で、音楽史や日本の現代音楽の特徴など知識や調べたことをもとに議論を試みましたが、結果は消化不良に終わりました。
そもそも問いがよく理解されず、「文化とは?」という結論のないところに話が飛んでしまっていました。適切な問いを立てられていなかったとも言え、「文化」というスケールの大きい言葉に引っ張られてしまったという反省が残りました。
それでも意見を聞いてなんとなく見えてきたのは、日本の音楽は、少なくとも江戸時代までに発展してきた邦楽が独自の文化として確立されていること、そして現代にかけて洋楽が取り入れられるようになっても、他国の曲とは違う日本らしさが確かに表れており、それに関してははまだ文化と言えない部分もあるということ。
あくまで一個人の拙い分析ではありますが、議論を通して考えたことで、音楽というもののとてつもない深さを垣間見ることができ、この感触は大切にしておくべきだと感じました。こうした深さに探究心を持ち続け、どこまで音楽を文化として自分なりに解釈していけるか、試みを続けたいと思います。
今回福田が担当した政治テーマへの参加については、社会科目が苦手な私にとっては修行のような気持ちで臨むつもりでした。が、実際は自由な雰囲気の中でラフな議論ができたように思えました。
話の中で小学校での出来事を思い出し、「学校の教師が自分の支持政党について話してはいけない」という法律が、子どもたちに政治について考えさせる機会を減らしている可能性がある、でも日本人に合った法律でもある…そんなことをぐるぐると考えました。
やはり政治は一人一人の生活の身近にあるものだと実感し、関心が薄いと嘆く傍観者にならずに、今の情勢に対する自分の意見を持っておくべきなのだと思いました。
この先取り組む様々なテーマを楽しみながら、渡航を見据えて自分の視野をさらに広げていきたいものです。
(福田)
私は最近衆議院選挙があったこともあり、政治思想の成り立ちや国による違いに興味を持ち調べました。宗教改革・三十年戦争からウェストファリア条約への流れと、それが近代国際法の基礎となったことをおさらいし、分かっているようで理解していなかった「保守」「右翼・左翼」などといった言葉についての解釈をアメリカの政治と比べながらまとめました。
その上で、海外と比べて、日本では政治に関する話をすることがタブー視されているように思いますが、その原因は何なのか、どうあるべきかをディスカッションを通じて考えることにしました。
議論を好まない、「和を以て貴しとなす」というような日本人の国民性によるものだという見方もありますが、日本の教育の政治的中立の形や、政治参加の時間のわき方など、もっと様々なファクターがあり、今の状況にあるのだと理解できました。
この先の渡航でもそうですが、海外の方に日本について聞かれた時に、現状を様々な文化背景と関連させながら説明できる自分でありたいと思っています。今回のディスカッションを通して、教育など関連する分野にさらに興味を持ったので、次回以降のテーマとしたいです。
また、お互い自由なテーマを共有しあいディスカッションする中で、「文化の定義とは?」など新たな疑問・興味分野が生まれました。音楽というテーマ設定も面白いと思ったし、見方が広がったように思います。さらに先輩方と共にディスカッションしたことで、自分の知識がまだまだ足りないことも実感しました。
今後も自分の興味を軸に様々なことについて知識をつけ、有意義な文化学習にしていきます。