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5期USコース 6日目

こんにちは

5期の星野です。

本日は予定通りコロンビア大学のJulia Hirschbergさんのオフィス・研究室に訪問して来ました。

以下ジュリアさんの紹介です:

Julia Hirschberg氏はコロンビア大学のコンピュータサイエンス学科の教授で、かつ学科長をしていらっしゃる。主に、自然言語処理と音声認識を専門としており、そこから派生した感情認識や嘘発見なども研究している。数々の論文を発表しており、また学会でも多数の業績を残している。

今回ジュリアさんの研究室を訪問した主な理由は、教授の研究内容に興味があったというのと、感情認識についての見解を伺いたいという理由です。

訪問した際、はじめにオフィスにてお話を伺いました。こちらの紹介から始まり、その後ジュリアさんの感情に関する話、また嘘発見など現在行なっている研究についても伺いました。

感情については、一時期止めてしまった時期もあったものの、最近また研究を再開しているそうです。もともと音声認識の研究をしていたこともあり、音声からの読み解ける感情について分析し、そこから感情を持った音声を生成する技術の研究をしていると説明してくださりました。
しかし、技術的に難しいこともあり、すぐにはできないが、着実に進んでいるとおっしゃておりました。

この際に、だが実際にどういった内容で行われているのか、ディープラーニングを用いるとわからないので複雑とおっしゃておりました。確かに、研究している立場としては中身が見えない不透明性は今後さらに発展させることを考えると難しくさせているのかな、とは思いました。

そして後半はラボの方を見学させて頂きました。そこではphDを卒業したばかりの方に最近自然言語処理で開発したシステムの紹介をして頂きました。自然言語処理を活用した1つの例として非常に面白く、独創的だと感じました。

滞在時間は約1時間半ほどでしたが、アメリカの大学の研究室の雰囲気とともに、ジュリアさんの研究内容、また感情認識をすることの難しさについて知ることができ、有意義な時間が過ごせたと思います。

明日はボストン、MIT内の施設に訪問します!


福田からのコメントです。

Juliaさんにお会いする前に、午前中からお昼ご飯にかけて、交流会を設けさせていただきました。とはいっても初対面の現地の方というわけではなく、私自身が高校の時にお世話になっていた英語科の先生でこの秋からColumbia大学のTeachers Collegeで学ばれる方、またその娘さんとお会いしました。
先生は私たちがニューヨーク入りする5日前ほどにこちらに到着されて、新生活をスタートさせたばかりのお忙しい状況の中でしたが、快くキャンパスの案内とランチをともにさせていただきました。
留学について、私はまだ長期で行くことへの決断を出せていない状況にいます。というのはこの研究室、というものがまだ見つかっていないことも理由ではありますが、時間的・金銭的コストなど様々なメリットデメリットを比較しながら、検討している最中です。
そんな思いの中、実際留学準備から現地にいらっしゃるまでのお話や、教員としての職業の中で考えていらっしゃることを伺いました。

こちらに到着して私も日々感じていることでもありますが、物価がとても高く、コロンビア大学でも日本人が少ない理由としても、金銭的な要素が強いのだとおっしゃっていました。寮の中をお見せいただきましたが、家族寮でもあり広く、快適そうで素敵でしたが、やはり家賃も学費も、奨学金を得てもなお大変な部分があるとのことです。
それでも先生としてのキャリアの中で留学を決心されたのは、大学入試改革なども進み、英語能力試験のスコアや、より座学ではなくコミュニケーション力が問われるような試験を課すようになっている時代の中で、強みを持ちたいという考えがあったからだそうです。英語の先生でも、英語能力試験受験経験がない人もいらっしゃたりするそうで、生徒に向けて教育をするときに語れる経験を持っていることは、一学生としても、必要性に納得できました。
教員になることを目指していた時期があったり、今もなお教育には関心を持っている私にとって、そういった角度からの考え方を今一度見直せる良い機会でした。

先生は行ければ学生のうちに長期留学をしたかったし、今のうちに行けるならば行っておいたほうがいいと思う、とのことをおっしゃっていました。以前よりずっと海外に出ることが簡単になった時代で、EPATS渡航後の自分のアクションプランをより明確にしていきたいと思う時間になりました。

Juliaさんとのお話では、3つほど印象的だった言葉がありました。
1つは、アメリカでは4年間の大学を卒業してすぐには大学院に進学しない人が多いけれど、日本ではサイエンスの分野ではほとんどの人が院に進学することについて、私は、最近何も考えずに周りが進学するから、という理由で進学してしまいがちであるシステムの怖さについて危惧していたのですが、アメリカで研究者として活躍されているJuliaさんは、良いことだ、とおっしゃっていたことです。優秀な人材が残ってくれるから、という理由でした。私はこの問題について多角的に分析できていなかったのだなと、認識させられました。
その後星野ともディスカッションしていて、4年で卒業することが多いから早いうちにインターンシップなどに参加するアメリカの学生は偉いなと漠然と感じてしまっていたこともあったのですが、それ自体も周りがやっているからやっている可能性はあるし、一概に言えるものではないのだなと感じました。
教育システムについては日本で過ごしていて、もっとこうあれば良いのに、と思う点はいくつも出てきますが、実際日本もアメリカも、メリットもデメリットも持っていて、結局は個人がそれをきちんと認識して主体的に行動できるかが鍵だと改めて感じました。
2つ目は、Juliaさんのキャリアについてです。Columbia大学という有名大学のComputer Scienceの長として活躍されているJuliaさんですが、もともとCS専攻だった訳ではなくHistoryでPh.D.を取得されたというキャリアをお持ちでした。
最近、自分が何をしていくか、目標が何なのかを具体的にしなければならないと焦ってしまっていた部分があったのですが、どんなきっかけで自分が変わっていくかという未来は誰にも分からないので、仮定として語れるものを持っておいてはいても、絶対そこに、という固すぎる意志は持たなくてもいいかもな、と思いました。特に私は興味分野が広いので、色々な流れに任せて、特化しすぎないメリットもうまく活用したいと感じました。
最後に3つ目で、お話の流れの中で、Juliaさん自身も女性研究者として嫌な思いをさせられる場面がこれまでにあったか、という問いに対して、Of Courseと返答されていたことが心に刺さりました。
今は時代として、女性でも自由に活躍したいと思って頑張る人を支援する仕組みが整ってきていると思います。変な特別扱いをされるのは良い気持ちではないですが、頑張っていることが正当に評価されやすくなってきている時代を生きることができているのは、幸運でもあるのかなと思いました。もちろんその分甘えずに、もっと気を引き締めなければとも思わされました。

こういった活躍されてきた方の経験を元に、改めて適切に自己を見つめ直して、目標に向かって進んでいきたいです。


 

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