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5期USコース 7日目

今日はボストン、主に1日中MITでの訪問でした。
ニューヨークからこちらにやってきて、同じアメリカではありますが環境の違いを結構感じます。
地下鉄の改札や電車の設備、道の舗装など、より綺麗で川沿いの空気も心地よいです!
ただ冬は長い上にびっくりするほど寒いそうです。

本日は、MIT Sloan School (Fellows Program)に通われている色川さんと、MIT Media Labに通われている吉田さんにお会いし、CIC(Cambridge Innovation Center)に訪問しました。

まず、Sloanについて。
Sloan Schoolは、MITに設置されているビジネススクールで、Fellowsはその中でも勤続20年以上の管理者向けで、2年間のMBAプログラムと同じ内容を1年間で学ぶプログラムです。
色川さんはNTTドコモに勤められていた中で、この6月から1年間のプログラムに参加されることになったとのことです。
私は将来、環境として、スタートアップで働きたいと考えており、そうした時に技術だけではなく経済や経営などマネジメントに関わる知識を体系的に学ぶことが今後必要かどうか考察したいと思っていました。
MBA取得の意義・価値を、調べただけでは知り得ないような、実際に通われた方の経験をもとに考えたいと同時に、明日ハーバードのビジネススクールにも訪問しますが、それぞれの特色についても理解したいということを目的として、Sloanの中のミーティングルームにてお話しさせていただきました。
お話を伺っていて興味深かったのが、まずFellowsには日本人が多いということでした。アメリカ人の次のマジョリティーは日本人だそうで、その中では社費で通われている方が多いそうです。
それでも実際全体を見れば、社費で通われている方は少ないそうで、周りの学生のバックグラウンドを伺い、とても面白かったです。
JETROへのご訪問の際に伺ったお話でもありますが、MBAでは学ぶ授業の内容というよりも、ネットワーク作りとしての意味合いがとても大きいということは色川さんもおっしゃっていました。また、個人課題ではなく国籍をバラバラにした5人グループによる課題の提出が授業の主軸だそうで、チームワーク、リーダーシップ、マネジメント、ディスカッション、、といったスキルが問われていることが分かりなるほど、と感じました。実際学ぶ内容がすごく高度な知識であるということではないようで、そういった特徴ある授業進行の中で会社を管理していくに必要な力が身についていくのだと感じました。

最終的にですが、MBAを取得することについて、私個人としては、すぐには考えなくても良いのかもな、ということがこれまでの答えです。経済や経営については日本でもより効率的に学ぶことができますし、経験により身についていくものが大きいと思いました。また色々なことを運営するにあたってその十分な知識が必要ということであれば、なんでも自分でやろうとせず、協力者を探すのも近道だと実感しました。例えばもし、いつか何かの事業やプロジェクトが波に乗ってきたとして、その後に次の拡張や事業創出を考えたい、新たなコネクションを構築したいと思った時、また、グローバルに展開したいと考えた時、ヒントを探す意味と友人、現地の法律の知識を英語で得るために海外のMBA進学を視野に入れることは良いことだと思いました。
今私自身がやるべきことは、ここは自分の譲れないもの、と言えるような技術やアイデア、フィールドを確立させることであって、その先のステップアップとして、心に置いておけるといいのかもしれないと感じました。

色川さんの今後の考えとして、外に向けてのビジネスができるようになれば、というお話がありました。iPhoneが発売された当初、正しく評価するのはとても大変だったとのことです。時代の流れに合わせて、考え方を常に磨きながら生活できるような人間になりたいと思いました。
またプロダクト案についてお話した際に、こんな機能があれば嬉しいな、という旨のことをおっしゃっていただいて、案として追加してみたいと感じられたりしました。色々な方にお話してみることの大切さを改めて実感しました。

最後に個人的な実感としてハーバードは競争感が強く、MITは助け合い感が強いというお話があり興味深かったです。この仮説が正しいのかもう少し調べてみたくなったのと、ハーバードとMITのつながりの深さを知って、留学先としてボストンの環境はとても魅力的だと感じました。

 

続いてMedia Labです。Media Labでは昨年から留学されている吉田さんにお会いしました。石井裕教授のtangible media(手で触れるメディア) groupに所属されています。
一般公開されているエリア以上に、研究途上の最新のメディア作品を見せていただくことができました。
蓋を開けたら音楽が鳴り出す瓶や、砂を動かすと高度がデジタル化される装置など、生活を楽しくしてくれそうなものから役に立ちそうなものまで幅広く紹介していただきました。
ここでは「アイデアや使い方が新しいだけで、最新の、難しい技術を使っている訳ではないもの」がたくさんありました。技術を学ぶ中で、最先端のものに目がいってしまいがちですが、昔から当たり前にあるものをどうやって使っていくか、という発想の転換的部分を意識していきたいと改めて感じました。

また、現実部分をスキャンしてデジタル化する点で、「デジタルにはあって現実にはない”Undo”の実装を考えている」というお話がとても印象的でした。そういった視点を持って未来のデバイスやコミュニケーションツールの形を考えてみるとワクワクするなと感じました。

私達の専門・興味分野をお伝えして他のgroupについても紹介していただきました。その中でもaffective computing groupは分野として近く、目指していることが同じだと思い大変興味を感じました。Media Labへ入試を突破して入るのはご自身の経験からもとても大変だし運も必要だということでしたが、仮に落ちたとしてもその準備の過程は将来にとって無駄ではないとのことで、やらないよりは挑戦してみることが大事だと感じ、周りからたくさんの刺激を受けながら研究を楽しめるMedia Labという環境に携わることについて、本格的に検討したいと感じました。
お忙しい中ご案内いただけて本当に良かったです。

Media Labのあと、CICに訪問しました。CICは世界最大級のイノベーションハブとも言われ、コワーキングスペース・起業家のコミュニティの先駆けとなった施設です。1999年に、MITの卒業生であったTimothy Rowe氏が設立しました。
CICではジャパンデスクをされているLiaさんにお会いしました。CICの概要についてお話いただき、施設の中をご案内いただきました。
施設の中でも興味深かったのは、キッチン部分に置いてあるものを階ごとに少しずつ変えていて、それにより違うフロアの人が立ち寄るきっかけを作り新たなコミュニケーションを創出することを狙っているということでした。他にもCICに入居している人に向けてのイベントや部活みたいなアクティビティが豊富に用意されていて、学生の延長のような印象を持ちました。20年近くコワーキングスペースとしての環境を構築して来ただけにノウハウがたくさんあるのだろうと思います。こういった場所で働くことが魅力的だとより感じられるようになりました。

Liaさんからは、平成元年から平成30年までの世界時価総額ランキングの推移の表などを元に、スタートアップ市場についての考え方、とりわけ日本との比較についてをお仕事をされていながらの実感を含めて伺いました。以前までの私も含めて、大きな企業に入って安定した生活を手に入れることようなルートが、メインの選択肢として捉えられがちな傾向もあると思いますが、時代の流れに応じて、働き方や状況は変わって来るため、日本にもエコシステムを育てなければという感覚がやはりあるそうです。
これまでの訪問を含めてですが、自分自身がスタートアップ企業で頑張っていきたいという目標はもちろんですが日本の中でそういった環境に踏み込むに当たるサポートができる立場にもゆくゆくはなりたいと感じるようになりました。
そのために色々なプロジェクトへの参画や運営の経験を重ねて、常にコネクションも大切にすることも意識しながら生活したいと思いました。

終わった後はCIC内のVenture Cafeも少し見学しました。起業家同士がお酒も飲みながら語り合っている場面を見て、熱い空気を感じました。ちょうどMITの学生が複数人訪れていて、短時間でしたがお話しする事もできました。大学内でのワークショップやイベントでももちろんそうですが、こういった様々なきっかけで出会った人と、どこかの機会で協力することになる可能性もあるし、そんなことが前よりしやすい時代にいることも大変ありがたいことだと感じました。

ニューヨーク、ボストンと来て、プロダクトやビジネスプランのEXITを意識して盛り込んでみること、ターゲットを意識してどんな問題解決をしようとしているかをよりうまく説明する必要性を感じました。また立ち上げる時のプロセスやその際に必要な人脈の構築についても新たな視点を得ました。まだまだ未熟な案をどこまで拡張できるか、また色々な人からのコメントにより考え方を考察できるかが楽しみです。

夜はLiaさんのご好意でちょうど開かれているボストン女子会にお邪魔しました。日本スタイルの居酒屋で、ボストンで働いていらっしゃったり学生をしている日本人女性の方が、こちらに住んでいる中での情報交換をしたり、日本の恋しさを共有したりしていました。初めて参加する方も何名かいらっしゃり、皆さんのバックグラウンドを伺いつつ留学にあたって大変なことや現地でどんなことを感じているかを聞かせていただきました。
音楽や犯罪学など、私たちのような理系ではない分野で活躍されていたり、色々な夢を持っている方と話せるのはとても新鮮な機会でした。
ボストンは街並みをみても大学としても魅力的だと感じていましたが、こんなコミュニティがあるというのもまた一つ素敵な要素だと感じました。
また何かのきっかけでお会いできたらと思いました。

以下星野からのコメントです。


本日の訪問を通して感じたのは『東工大も素晴らしい大学だ』ということです。
MITは研究のレベルが高く、特にメディアラボなどは非常に独創的なアイディアを排出しており、東工大とは全く違う環境だなと思いました。しかし、同時に東工大もそれ相応の研究を行なってたり、自由度があると感じます。また、昨日のコロンビア大学でも感じましたが、学会などにも少なからずとも論文を出しているのを見ると、頑張れば誰でも海外の大学生と相応のことができるのではないかと感じました。
とは言ったものの、やはりボストンの雰囲気は好きになりました。学生だからと言って卑下されたりすることもなく、パッションと努力で成り立っていると感じました。


明日はもうボストンで活動する最終日になってしまいますが、ハーバードビジネススクールのキャンパスツアーに参加してまいります。
残る滞在で存分に刺激を受けて来たいです。

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