本日はAppleとNvidiaに訪問をしてまいりました。
Appleに関しては、企業秘密などの関係上、どこで誰と何を話したかは記せないので全体的な感想を述べたいと思います。
まず、私たちで担当者様にお会いする前に伺ったのがアップルパークのビジターセンターでした。
アップルパーク自体、去年の暮れにオープンしたばかりのオフィスであり、デザインなどが洗練されていると感じていたため、一度近くで見たいと思い伺いました。ビジターセンターでははじめにARを使用したアップルパークの全体像をipadを用いて見ることができました。
アップルパークの中はキュービクルに分かれており、全ての階を通して同じ形式になっていました。
周りは緑豊かでジムなども設備されており、アップルパークの中央には池があるといった非常に自然豊かな印象が強かったです。
しかし、オフィス内見学を許さないのは、アップルが過去にアイディアを盗まれたこともあり、そこから強くコンフィデンシャルなことには細心の注意を払っているのでは、と福田と話していました。
そういった中で、内容は綴れませんが、非常に参考になることを伺うことができ、また考えるきっかけになりました。
Appleについて以下福田からのコメントです。
最初はVisitor CenterにてApple Campus 2(新本社ビル)のARを体験しました。内部のカフェテリアの前にある窓は世界でもっとも大きなガラスだというお話を教えていただいたりしました。時間帯ごとに様子を比べたり屋根を開いて中をみることができて面白いARでした。
中に入ってみたい気持ちもありましたがそれはできませんでした。
上にもある通り、大企業ながら社内のツアーなどは行っていない、社外秘が多いなどポリシーを感じますが、Appleは単純に一IT企業というわけではなく、デザインなど軸となる思想を持った独自の組織という雰囲気を保つ側面としてもある意味では有効なのかもしれないと感じました。
ただ特別にカフェを案内していただき、そこで食べたピザが大変美味しかったです!グッズを売っているInfinite Loopもそうですが、Apple製品で購入が完結する部分にもかっこいいと感じてしまいました。
続いてNVIDIAに訪問しました。
NVIDIAでは以前日本のNVIDIAにて働かれた後サンタクララの本社にてテクニカルマーケティングエンジニアとして活躍されている矢戸さんにお会いしました。
日本で9月に開催するGTC(GPU Technology Conference)の準備もあり大変お忙しい中でしたが、3時間たっぷりお話を伺い社内もご案内いただきました。
NVIDIAは私自身としては強いGPUを売っていてコンピューティングを加速している会社、といったイメージでした。研究を本格的にまだ始めていないこともありイメージとしては漠然としていましたが、まさに私達が通う東工大のスパコンTSUBAMEと大変つながりが強い会社でもあり、計算機科学を学ぶ私にとってそういった意味でもワクワクしていました。
実際GPUをグラフィックス以外の用途で使うようになるまでは、ゲームのグラフィックスを扱っていたということですが、今はシフトしたように見えつつもゲーム関係の方にも革新的なプロダクトを最近発表したりと、顧客を大事にする感覚を感じられました。それでもGPUをコンピューティングに用いる方向に流れを持っていくことに対しての、CEOの先見の明を実感しました。
また、チップを製造していてハードの会社というイメージになりやすい部分がありますが、伺ったお話から、ソフトを非常に大事にしていて、常に開発者に良いエクスペリエンスを与えようと考えているということが理解できました。
色々なGPUの会社はありましたが特にNVIDIAがここまで拡大してきた所以を知ることができ、消費者・ターゲットに対する視線を確立させることの大切さがあると思い、そういった考え方を意識したいと思いました。
矢戸さんからは特にNVIDIAの製品の中でも、ロボットの頭脳を担っていくと言われているJetsonについて、エッジコンピューティングのメリットや採用企業による実用例について教えていただきました。特に農業機械のベンチャー企業、Blue Riverの例は大変興味深かったです。ここでは間引き(密植した後に良い苗を残して他の苗を抜く作業)をAIの特にエッジでの計算を用いて行なっているということでした。間引きといっても単に機械のアームで抜くのではなく、濃い肥料をかけることでいらない苗を実質的に成長できなくし、それが浸透することで残す苗の成長を促すというのがとても面白かったです。
他にも在庫管理や自動運転など、NVIDIAの技術が身近な、テクノロジーを利用した効率化・加速化の根幹を担っているということが、純粋にかっこいいなと感じました。
また、アメリカでのロボコン事情などについてのお話も伺い大変興味深かったです。FIRST(For Inspiration and Recognition of Science and Technology)というNPOが主催する、高校生向けのロボコンは、いわゆるテック系、高専生というような生徒ではなく、普通の子達に課外活動としてのロボットコンテストの場を提供したいという考えのもとで、大変な盛り上がりを見せるコンテストを全米で行っているとのことでした。しかも実際の大会でのロボットが獲得した点数だけではなく、アウトリーチ活動やプロモーションなどの様々な側面を評価されて優勝が決まるということでした。高校生自身がスポンサーを探しにいって資金提供からするということだったので大変驚きました。と同時に私が高校生の時にそういった機会があったら良かったな…と羨ましくも感じました。
もちろんメンターとして大人になっても関われるということで、色々な情報を集めてみたいとも思いました。
本当にたくさんお話を伺いましたが、最後にアメリカでお仕事をされていて、日本から出てくるものが少ないのがさみしい、ということを感じてらっしゃるという言葉が印象的でした。私がいつか、「日本から出てきた商品やビジネスモデル」に関われていたらいいなと思える瞬間でもありました。
人間が色々な処理を一つのセンサーからの情報をもとにしているわけではないように、機械も複数のセンサーからの情報を用いて処理をするようになり、それを実現し始めているのがDeep Learningの技術ということですが、来年から始まる研究生活や今後の社会との関わり方について、そういった考え方を元に何か新しいことを思いつけたらいいなと感じました。
かっこいいNVIDIAグッズもいくつかいただきました。今回のご訪問で得たチャンスを存分に使って帰国後の生活も楽しみになりました。
明日からは土日とLabor dayにより3連休ですが、美術館・博物館に訪問してまいります。長い渡航の中でこの3日間が文化施設訪問の最後になりますが、色々な刺激を受けてきたいです。