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5期USコース 22日目

本日はGoogleのKeithさんとEneleapの井上さんにお会いしてまいりました。

Googleでは、昨年東京のオフィスを案内いただいた方にご紹介いただき、Machine Translationを専門とされているエンジニアのKeithさんにお会いしました。Keithさんに3名のエンジニアの方とお話しする機会をセッティングしていただき、最後はGoogleのオフィス内のカフェにて一緒に昼食も取らせていただきました。

特に印象に残ったのは、一つは、Google翻訳における、カメラによるリアルタイム翻訳の機能について、まだ精度が高くないとは言いながらもどのような技術により実装されているかを丁寧に説明していただいた部分です。
畳み込みニューラルネットワークとは画像認識に用いられるニューラルネットワークの一種で、GoogleNetのモデルを用いて文字などを画像から識別しているということでした。
その際嬉々として説明してくださる優しさと専門性に対して尊敬を感じました。Googleは学生に対してのプログラムの提供等も積極的に行なっているイメージがありますが、こうして日本から訪問した私達に対して、専門知識のレベルを理解してくださりつつ細かい部分まで教えていただけて、Googleのオープンな社風に改めて魅力を感じました。

また、生のエンジニアの方の声として、Googleには膨大なデータがあり、そのためシンプルなモデルから検証してそこまで科学的なプロセスを踏んではいないけれど向上させることができるようになっているということで、それがGoogleの途切れない力に繋がっているということが改めて理解できました。以下の星野の内容にもありますが、研究で何か実現したいことがあるのであれば、Googleの環境は本当に魅力的だと思います。その中でもセキュリティは厳重であるということでしたが、やはり何かを学習させたりする際に使えるリソースというものの重要性を認識し、今後の研究で実感を持って体験することになるだろうと感じました。

最後に昼食をともにさせていただいた際には、色々なことに興味を持っているときにどこに進めば良いかを決める方法についての意見をいただきました。一つをまずは深く極めてみて、そこから色々な可能性を残したまま考えてみようと、今後のことについて思いを馳せられる時間になりました。

最後にドロイドくんと、最新バージョン9.0のコードネームであるパイの前で、Keithさんとお写真を取らせていただきました。今後の研究生活も楽しみになるきっかけをたくさん得られた有意義な訪問でした。

 

続いて、Eneleapというコンサルティング会社を起業されている、井上さやかさんにお会いしました。井上さんは、東大工学部のご出身で、ゼネラル・エレクトリックにてエネルギー分野のマーケティングや企画戦略をされたのち、シリコンバレーにて主にエネルギー関連の事業を扱うコンサル会社を設立された方です。
起業をされた背景には、まずは小さい頃から環境に興味があって揺るがなかったこと、またクリーンテックが流行り始め、かつAmazonなどによる子会社のディスラプトが起きたような時代に、エネルギー関連でもそういったことが起きるとしたらシリコンバレーの地域だろうと考え、視察された際にいくつかの案件を得たことから立ち上げることになった、というお話でした。

様々なトピックについて質問させていただいたりこちらの意見も述べさせていただいたりしました。
日本と現地の比較のお話では、外資系からこちらでの起業というキャリアの中で日本の企業文化を知らず、コンサルで日本の顧客を相手にしながら逆カルチャーショックのようなことを感じたということが印象的でした。現地では「日系企業による視察」は嫌われているものの一つだそうです。どのように解決すべきなのだろうということや、文化の成立背景などについても相互にお話しさせていただき、大変実りの多い時間でした。

「コンサル」ということについて、井上さんは実業もやりたいと感じられていてそちらにも拡大できたらと考えていらっしゃるそうですがやはりコンサルが自分に向いていると思われているそうで、その根拠についてもお伺いし、ストラテジーを考えることの楽しさや、人に伝えることが好きであること、大企業のビジョンを作るということの良さがあるということを教えていただきました。私自身、興味分野が広く、実際どのような場所でどのような役割をもって働くべきかを自問自答し続けていた部分があったのですが、ビジネスという面でコンサルは私にとってももしかしたら合っているかもしれない選択肢のうちの一つだと感じました。Googleで伺ったお話も含めて、エンジニアやリサーチャーと、ユーザーに近いデザインをする人を繋げる部分を取り持ったり、という形の働き方も、どちらについても深い知識が必要ではありますが、楽しそうだし目指したい方向なのかもしれない、と将来の具体性が高まった気がします。

女性としてのキャリアのお話も、今回の渡航ではなかなか伺える機会がなかったため大変有意義でした。「女性のための〜」という事業などについて以前はあまり好印象を持たれていなかったそうで、私も少し同意できる部分があったのですが、井上さんは出産を経験されて、実際に子供を産めるのは女性だけだし、そういうものが本当に必要だったんだと、認識したとのことでした。これについては大変興味深かったです。男女平等や多様性などが叫ばれる中で、その意味がなんであるのか、どういったあり方があるのか、問い続けなければならないと改めて感じました。

最後に学生に向けて、私たちに向けて、として、若いうちに特に女性は外資系で働いてみてほしいし、あとはせっかくなら起業したほうがいいよ、という言葉をいただきました。日本からこちらにいらっしゃって独立されている井上さんの姿は大変かっこよく、目指したいと思える人の一人になりました。お会いして密にお話ができて本当に良い時間でした。

 

 

 


以下星野からです。

どちらも福田のアポイントメントでしたが、とても学ぶものが多く、有意義な最終日となりました。

Googleでは、去年の反省も活かし、インタラクティブにディスカッションができ、知りたいことが知れた訪問になったと感じております。

KeithさんはNatural Language Processing(以下:NLP)を専門としていらっしゃり、自分も興味があったため、様々な質問をさせていただきました。KeithさんはウェブアプリやNLPのモデル開発などを手がけていたことがあるため、主にどう言った仕組みで翻訳を行うのかや、データが不足している言語における翻訳の問題の解決方法などを伺うことができました。

また、紹介していただいた3人の方々も優しく対応してくださっり、充実した時間が過ごせたと思います。

技術的なお話はもちろんでしたが、それ以上に非常に嬉しかったのは感情生成を将来的に研究したいと発言した際に、皆面白そうと乗ってくれたことです。こう言った技術があると思う、また、こう言った方向から攻めるのはありだと思う、などと言った盛り上がっていただけ、研究意欲を掻き立てられました。

畳み込みニューラルネットワークをわかりやすくアニメーションで紹介していただいのも非常に印象に残りました。

最後にお会いしたChristineさんがリーダについてや将来の選択についてアドバイスをくださったのはこれからも頭に入れときたいと感じた内容のことばかりでした。特に、可能性を潰さないこと、また例え得意でも自分が好きでやっていることか、やらされているから得意になったのか、考え直してから進路を決めるべきだとおっしゃっていたのは印象的です。私も苦手な分野でもやっとかないと、と考えがちですが、結局そこをうまく補完すれば良いと気付かされました。

そして、この渡航を通して感じたのは、決してこちらの人は私がやりたいことを否定する人がおらず、皆お互いのアイディアを尊重していると言うことです。例え、自分とは異なるフィールドでも関心を示してくださる、自分の知っている人や研究について教えてくれるところがアメリカの素敵なところだと思います。同時に、こう言った文化が現在のアメリカのテクノロジーの発展を象徴しているのかな、と考えました。

Eneleapでは井上さんにお会いしましたが、アメリカで独立できる日本人女性とはこう言った人を言うんだな、と言うことを強く思いました。

クリーンテックから始まった井上さんのキャリアでしたが、自分のやりたいこと、楽しめることを現在行なっているのかな、と感じました。GoogleでもChristineさんがおっしゃっていましたが、自分の好きなことを突き詰めたら最終的にやりたいことをやってることがあると思う、と言う言葉を井上さんもおっしゃっており、その通りだなと感じました。

 


 

最後の訪問日にふさわしい、リラックスして楽しくお話ができた良い1日でした。お忙しい中でしたが快く受け入れていただき大変ありがたいことだと感じました。

全体を振り返った感想は、明日または帰国後にそれぞれから述べて、渡航のレポートを締めくくりたいと思います!
改めて、この素敵な3週間を過ごせるにあたって協力してくださった全ての方に感謝したいです。ありがとうございました。

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