7期Springコースの内田です。
今日は、Massachusetts General Hospitalで皮膚医学の研究をしている川上聡経さんにお会いし、研究室訪問をさせていただきました。
それだけでなく、ボストンに住む日本人交流会の飲茶会に参加させていただいたり、生物学の研究者を呼んでの夕食会も開いてくださったりして一日中お世話になりました。
MGHの建物は、研究で得られた美しい写真を飾ったり、屋内でも植物を育てたりとデザインを意識していてMITらしさを感じました。
川上さんの研究室では、主に皮膚がんの予防のための研究を行っています。
アメリカでは、肌が黒いということは”リゾート地でバカンスに行った”ことを意味し、一種のステータスになっているそうです。
そのため日焼けサロンに行く人も多いのですが、なんと、日焼けサロンで浴びるUVAは麻薬のような作用のあるβエンドルフィンを発現させる転写因子を活性化させてしまうため、日焼けサロンへ行くことが中毒になってしまうそうです!
しかし、白人は、メラニンをうまく作ることができないため紫外線のダメージを受けやすく、皮膚がんになりやすい・・・
そこで、川上さんは、メラニン形成のメカニズムに関わるある物質を活性化させると、白人のように特定のタンパク質を持たずにメラニンがうまく作れない人でも、皮膚の色を黒くして紫外線からのダメージを防げることに着目してがんを予防する研究をしているそうです。
白い肌を好む人にも効果的な薬を開発したり、薬を塗るのではなく紫外線ダメージを防ぐ素材を開発してみんなが着たくなるようなデザインの服を作ったりなど、理想のアイデアについてもお話くださいました。
他にも、コラボレーションが生まれるようなコミュニティを作る大切さや、協力者を集めるために夢を語ることの重要性など、川上さん自身が大切にしている生き方もとても参考になりました。
全体を通して感じたことは、川上さんは自身のやりたいことと他者のためにやりたいことのバランスがうまく取れているということです。
何を軸に何に挑戦していきたいか、来年度やりたいことを考え直す一日となりました。