本日はUCLAを訪れました。Hong研究室に所属する白井さんに大学内を案内していただきました。Prof. Dennis Hong教授は世界的にも有名なロボティクスの研究者です。
まず、白井さんと熊の銅像の前で待ち合わせしました。カリフォルニア州の州旗が熊ということもあり、カリフォルニアの大学には熊の銅像が置かれているようです。待ち合わせ時間が12時ということもあり、ランチをとるため大学の側にあるタイ料理屋へ向かいました。2日目に訪れたcaltechよりも敷地面積が圧倒的に広いため、敷地外に出るまで結構な時間がかかりました。
ロナルド・レーガンメディカルセンター
UCLAには寄付でまかなわれた建物がたくさんあり、いつ何時も何かしらの建物は建設中で、敷地面積は増え続けているようです。東工大にも滝プラザに続いて建物が増えるといいですね。到着後、ランチを取りながらお話をしていただきました。そこでは、東北大学から現在まで研究されている月惑星探査四脚ロボットについてお伺いしました。地球と同じく、月惑星も崖からサンプルを採取することが科学的に重要です。しかし、従来のローバーは崖を上り下りすることが出来ません。そこで鉤爪型の四脚を用いることで崖を上り下りすることが出来るという意義があるようです。Mars2020ではUAVを使っていましたが、バッテリーやモーターの大きな発達がない限り長時間飛行するのが難しくサンプルを採取するのは困難なようです。また飛行を安定されることを非常に難しいようです。このように四脚ロボットには大きなメリットがありますが、まだ1時間に4mほどしか登ることができないので、今後スピードを上げていく必要があるようです。白井さんは現在、災害現場での自律走行する四脚ロボットを開発しています。技術的には月惑星にも応用可能です。現在、世界中で自動運転の開発が盛んですが、この技術も月惑星に応用できるぐらい発達してほしいものです。ご飯を食べ終わり、お話の続きをするために、移動しました。白井さん、奢っていただき、誠にありがとうございます。
途中、研究室にもよらしていただきましたが、三連休中にもかかわらず多くの方がいたので残念ながら中には入ることは出来なかったです。
学食に着き、パソコンで研究室の中の写真や動画を見せていただきました。その後、大学全体の話をしました。インターネットはUCLAの学生がPhDのときに開発したものです。このように(もちろんアメリカでも特殊な例だが)アメリカの学生は"実行力"があります。白井さん自身、日本は理論が非常に強いがそれを実行する力がアメリカの方が相対的に秀でていると感じているようです。特にこの分野では実際に開発しなければ机上の空論になり意味が薄れていきます。そして、実行するときも経営的な視点をとることで、より需要が大きいものを生み出されると感じました。だから、少なくともこの分野では経営的視点を取り入れることが重要であると考えました。また多様性の面でも大きく日本と異なるとおっしゃっていました。出身国はもちろん、州や出身大学が異なると、考えかたも異なりその間で議論することにより新たなイノベーションが起こるようです。日本では大学院もストレートで入る人が多いように思います。またこれだけでなく、学術的な分野の多様性もあります。白井さんはもう一つLemurという研究室に所属しています。ここの学生は自分の専門分野以外の分野にも精通している場合が多いようです。これもイノベーションを生み出す要因だと思います。
白井さんにはたくさんお話をしていただき、また大学内も案内していただきました。その中で改めて実感したのは、環境が素晴らしいことです。研究室一つをとってみると、日本にもレベルが高い研究室は東北大学にも東工大にもあります。しかし、UCLAではすべての研究室のレベルが高く、学生の意欲もあります。そしてその学生をバックアップする環境が日本の大学とは異なる点だと感じました。
レアルマドリードが練習したコート
東工大のグラウンドでレアルマドリードは練習しないですよね。
白井さんと別れた後は同じくUCLA内にある、ファウラー美術館に行ってきました。大学内にある美術館としては非常に立派かつ展示数や特設展がされており、文化学習に最適でした。通路にはインドのstepwell という階段型の井戸についての写真が飾られており、詳しい解説もされていました。
インドではこの階段型の井戸は日本における井戸と異なる意味合いを持ち、単に水を得るための施設ではなく、神聖な場所とされていたようです。それを示すかのように王妃などの位の高い人物が建てたものが多いようです。
また、銀製品についての展示もされていました。
ここでは欧米において食器や家具などにいかに銀が用いられていたかがわかるものが展示されていました。単なる装飾品としてだけでなく、時には食器に、宗教用品に、玩具にと様々な用途がありました。これは銀の加工の容易性や耐腐食性がもたらしたものなのではないかと私は思います。
また別の部屋では特別展である、グアテマラの民族の仮面の展示がされていました。
一見不気味に見えますが多くは牛や蛇、サルなどをモチーフにしており、変わったものでは王様やドラゴンの仮面などもありました。16世紀前半にスペインに征服されたグアテマラですが、多くの民族が息づく国としてその頃からの踊りの際に仮面をかぶる文化があったそうです。
最後には様々な国のローカルな美術品が展示してある部屋がありました。
飾られていた日本の絵馬
台湾のものからパプアニューギニアのものまで、様々な文化の融合した部屋になっていました。
こういった様々な文化を学べる場所が大学内に存在していることも、UCLAの環境の良さに挙げられるのではないかと考えられます。総合大学であるからこその多様性やアメリカの学生の意欲の高さ、文化に対する寛大さなど、多くのことを学べる訪問になりました!
残りの2連休は文化学習を行い、ワシントンに移動します!