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3期 ヨーロッパコース 11日目

3期ヨーロッパコース菱川です。ヨーロッパコース11日目の活動について紹介します。

 

11日目は、ボルドーワインの醸造所(シャトー)が集まる街、メドック地区のポーイヤック村にやって来ました。

シャトーに行く前に薬局に行きました。レジで店員さんがフランス語で、何を言っているかがわからず、あたふたしていると、隣にいたフランス人の方が英訳してくれました。けっきょく、店員さんは「他に何か買いますか?」と言っていたようです。ここは、パリから離れた田舎町。英語はあまり通じないようです。

英訳してくれたフランス人の方に、このあたりでカフェはないかと尋ねると、カフェがある通りまで歩いて案内してくれました。歩きながら、フランスやボルドーのことについて教えていただきました。この方の話では、今日(36)は、Le Père Centの日で、フランス全土で、学生が卵と小麦粉を投げって、バカロレア試験の100日前をお祝いする日だそうです。

 

街のいたるところに、学生が投げた卵が落ちていました。

 

 

 

 

さて、本日訪れたのは、シャトー・ラフィット・ロートシルト(Château Lafite-Rothschild)。第1級に格付けされるボルドーワインを生産しています。

 

 

シャトーの周りは、一面ブドウ畑が広がっていました。


 

シャトー・ラフィット・ロートシルトで働いているニコラさんに、シャトーについて説明していただきました。1868年、ロートシルト家がこのシャトーの所有者となり、現在のシャトー・ラフィット・ロートシルトという名前になりました。このシャトーでは、カベルネ・ソーヴィニヨン70%、メルロ25%、カベルネ・フラン3%、プティ・ヴェルド2%の4種類のブドウが栽培されています。

ポーイヤック村の土には、砂利が多く含まれており、熱を蓄えやすいそうです。ブドウの木を低く育てることで、土の熱をブドウに伝わりやすくしています。ポーイヤックの海洋性の気候と、土からの熱は、濃いブドウの実を育てるのに適しているそうです。


 

 

 

ブドウを発酵させるタンクは、3種類ありました。樹齢20-25年のオーク材製の伝統的なタンク、近代的なステンレス製のタンク、メルロ醸造用のコンクリート製のタンクです。

 

(オーク材製のタンク)

 

( ステンレス製のタンク)

 

( コンクリート製のタンク)

 

次に、樽育成庫を案内してもらいました。18世紀に建てられたこの部屋は、気温約30℃、湿度約80 %に管理されており、1600から1800個の樽が保管されています。樽の上部には、穴が開いており、さらにガラス容器が載せてありました。この穴は、ワインの発酵で生じる二酸化炭素により樽が破損するのを防ぐためのものだそうです。


 

樽は、使用するごとに蒸気で洗浄します。以前は手作業で一つずつ樽を洗浄していたそうですが、現在は、この機械を用いることで、1時間に17個の樽を洗浄できます。


 

さらに奥へ進むと、円形の樽育成庫にたどり着きました。この育成庫は、1987年にスペインの建築家リカルド・ボフィルによって建設されました。

 

樽育成庫の床には、シャトー・ラフィット・ロートシルトのロゴが飾られていました。ロゴにある5本の矢は、ドイツ、ウィーン、イギリス、イタリア、フランスを表しているそうです。


 

見学の最後に、2007年のワインを試飲しました。このシャトーのワインは、通常20から25年は寝かせるそうなので、まだまだ若いワインです。香りがよく、とてもすっきりとした味のワインでした。


 

「よいワインを作るために大切なことは?」とニコラさんに尋ねると、ニコラさんは「よいブドウを作ること。よいブドウからよいワインができる。そして、丘に位置するよい立地と経験から、よいブドウができる。」と答えてくれました。

発酵を担う微生物の種類や樽の温度・湿度管理などよりも、第一に原料であるブドウが重要であることを知りました。また、この独特な土と海洋性の気候を有するこの土地で、経験を持った人々が作る、シャトー・ラフィット・ロートシルトのワインは、他では決して真似できない、唯一無二のものだと感じました。

 

さて、シャトー見学が終わり、電車に乗って帰路につきます。電車の切符を買おうと券売機へ

しかしながら、券売機の言語が、フランス語のみで、英語の表示がない……

近くにいたフランス人の方に翻訳してもらいながら、切符を買うことができました。

 

カフェの通りまで道案内してくれた人といい、切符を買うのを手伝ってくれた方といい、本当にいろいろな方に助けていただき、ボルドーの人のやさしさに触れた一日でした。

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