ヨーロッパコースの黒崎です。
ヨーロッパコース16日目は、チューリッヒ歌劇場でオペラを鑑賞しました。
オペラというのは、セリフが全て歌詞になっているのです。オペラ歌手は役者として演技しながら、オーケストラの生の演奏に合わせて、歌を歌います。オペラの歴史はとても古く、400年もの歴史があります。
私たちが訪れたスイスにあるチューリッヒ歌劇場は1834年に設立され、とても歴史があります。1890年には火事が起きてしまいましたが、翌年には現在の建物であるネオ・バロック様式の建物に作り替えられました。ちなみにネオ・バロック様式というのは、豪華な彫刻や絵画などで飾られているのが特徴です。2014年にはヨーロッパの中で、最優秀オペラハウスに選ばれるほど、世界的にも有名なオペラハウスです。
今回、“Don Giovanni(ドン・ジョヴァンニ)”というオペラを鑑賞しました。
このオペラは1787年にヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトによって作曲されました。セリフは、イタリア語です。英語とドイツ語の字幕があったので、初めてオペラを鑑賞した私たちにとっては、独特のスピードや表現方法についていけず、内容を理解するのに一苦労しました。
公演は1時間半の2部構成で間に25分の休憩がありました。全部で約3時間半になります。第1部が終わり、休憩時間に入った瞬間に、観客は、ワインやシャンパンなどお酒を買って、廊下で立ち話をしているのがとても印象的でした。
そもそもオペラを鑑賞するのにいくらかかるかご存知ですか?
例えば、日本の新国立劇場の場合、席はSS席、S席、A席、B席、…、F席とランク分けされ、1番高い席は21000円、1番安い席は3150円します。(例:2005年『セビリアの理髪師』)一方、今回の訪れた劇場の場合、一番良い席は日本と同様にとても高いのですが、安い席は約1200円ほどでした。日本のF席と比べて、半分程度の値段で見ることができ、チューリッヒの人々にとっても、オペラは身近な存在であると感じました。
ドレスコードがあるわけではありませんでしたが、訪れている人は、皆、ドレスやスーツなどを着ていました。チューリッヒ歌劇場は、観光地というよりも、現地の人が芸術を楽しむ場であるという印象を強く受けました。また、劇場内には、荷物や服を預けるクロークルームがありました。預けたい人が預けるのではなく、リュックサックやコートを持ち込むことはできず、必ず預けなければなりませんでした。
演出には本当に驚かされました。火や土を使ったり、食事のシーンでは本物のチキンを食べたり、水道から本物の水が出てきたりと、劇とは思えないようなリアリティーがありました。また、歴史があるこの劇場ですが、レーザー光を使用したり、布や壁に映像を投影するなど、最新技術も駆使していました。
オペラが終わると、オペラ歌手やオーケストラの人々に向けて、盛大な拍手が送られました。また、観客の中には、“ブラボー”と叫ぶ人もいました。舞台袖では、オペラ歌手どうしも抱き合い、公演を無事終えたことを喜びあっていました。