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日本IBM株式会社訪問

日本IBM株式会社さんに訪問してまいりました。
本社、東京基礎研究所のビルは日本橋・箱崎にあり、目の前には隅田川があります。

 

 

IBM箱崎ビル

 

 

まず始めに、大学連携を担当していらっしゃる部長の辻さんから、グローバルスタンダードについてのお話と、IBMの概要や、Watsonについての紹介をしていただきました。
グローバルスタンダードについては、例えばアンケートの回答の選択肢に、「普通」「ややそう思う」「そう思う」があったとき、日本人は「普通」や「ややそう思う」を選びがちですが、世界の標準では「そう思う」を選ぶ人が多く、ここにちょうど選択肢1つ分のギャップがあるそうです。そういった”意思のはっきりしていなさ”、謙遜の文化が日本人にはあり、ここに改善の余地があるというお話でした。確かに私も、自信を持って「そう思う」を選ばないなと感じましたし、そこで自信を持って答えられる人の強さも理解できました。はっきりとした意思を持つことができるようにならなければと思えるようになったと同時に、謙遜の文化が根付いているからの個性、そこから派生するメリットも突き詰めていけたら、他と差をつけられるようになるのではないかと思いました。
次にIBMの概要とWatsonについて。
IBMは、アメリカに本社を置く、主にITを用いたビジネスコンサルティングを行っている会社です。創立は1911年と、100年以上の歴史を持つ会社で、現在世界170ヵ国以上で事業を展開しています。現在のCEOであるジニ―・ロメッティさんは「The most essential company - 世界で常に必要とされる欠くことのできない存在」を目指すことを表明し、IBMの価値及び行動規範を定めています。社員さんも、世界の大事なITインフラを守っているという実感が欲しいという人が多いのではないかということでした。いわゆるベンチャー企業とは、そういう意味では対極にあるといえるようです。
さらに、ダイバーシティに関するポリシーについてもご紹介いただきました。IBMのダイバーシティ推進の動きはとても早い頃からあり、1935年当時、一般的に秘書などでしか女性が働くことができなかった中IBMは既に女性がエンジニアとして働いていたそうです。さらに40年代にも、障がい者や黒人の方を採用しており、世界に先駆けて多様性を重視した環境を形成しているようです。
そして、教育に力を入れているというお話も伺いました。IBMの創立者トーマス・ワトソンの言葉に「教育に飽和点はない」というものがあるそうです。現在でも対面研修からオンライン研修まで社員が充実した教育を受けられる機会が豊富に用意されており、開発した技術などをイノベーションまでにつなげるための環境が整っているということでした。
IBMが長い歴史を持ちながら、現在まで常に技術を社会に生かし続けることができている所以は、こういったところなのかもしれないと感じました。
Watsonについては、アメリカのクイズ番組「Jeopardy!」でクイズ王に挑戦し最高金額を獲得した際のことをはじめ、Watsonの可能性についてお話しいただきました。自然言語処理や、IBMが語源と言われている「ビッグデータ」など大量のデータを用いて最適なものを導き出す技術により、人の仕事を奪っていくというよりもむしろ今まで時間を十分に割けなかったことに人間が手をまわせるようになったり、人間がやるべき新たな仕事も生まれていくとのことでした。

 

続いて、辻さんと同じ部門で課長をされている沼田さんに会社を案内していただきました。IBMの歴史を感じさせる初期の計算機から、最新のz systemまでを見せていただき、IBMの培ってきた力や規模の大きさを実感することが出来ました。
また更に、セキュリティオペレーションセンターを見学させていただき、セキュリティ分野に興味を持ち始めた私にとっては非常に興味深かったです。センター内の前の画面には、リアルタイムで今どこからどこに向かってサイバー攻撃がなされているかを表した地図が映し出されていました。サイバー攻撃というのは普通に過ごしていて身近に感じることはあまりないですが、本当に重要なセキュリティを陰で守っているというのはとても格好いいなと感じました。

 

最後に、東工大出身で現在セキュリティ&サービス部長としてIBM東京基礎研究所で働いていらっしゃる、佐藤さんにお話を伺いました。
大学では基礎物理を専攻されていたという経歴をお持ちの佐藤さんですが、長期的な研究よりも、実社会に還元されるのが見えるような研究をしてみたいと思ったことから就職の際に方向転換されたそうです。私が気になっていたのは、実際BtoBというような仕事をされている中で、どの程度インパクトを与えている実感を感じられているのか、ということでしたが、確かに見えるところで生活を変えたりするようなインパクトは、それこそベンチャー企業のようなところのほうが感じられるのかもしれないけれど、やはり与える影響の大きさやその範囲といった規模の大きさはより感じられる環境なのではないかということでした。私も実社会に影響を与えたいという軸は変わりませんが、どのような形で、どういうことをしたいのか、または自分には何が合っているのかを、引き続き突き詰めていきたいと思いました。
さらに、沼田さん・佐藤さんと、女性として情報系の分野で活躍されている方にお話を伺える貴重な機会でもあったので、実際に働かれている中で思われているところはあるか伺ってみました。IBMの創立当初からの社風でもあるのかもしれませんが、実際男女での区別はほとんど感じないということでした。出産を機に仕事を辞めるとも思われていないし、ご自身そう考えることもない環境だったそうで、とても魅力的な環境だと感じました。IBMは外資系ではありますが日本IBM株式会社自体80年の歴史を持っていて、日本企業の雰囲気もあり、グローバルな部分も含めてバランスよく働きやすい環境であるということを知ることができました。今回で夏の国内研修としての企業訪問は最後でしたが、歴史や規模で一概に会社の環境は決まるものではなく、社風が根付いているものなのだなと思いました。自分の力が最大限生かせる環境を見つけるのも大切だし、未来のためにいい環境を作り出していく側になるというのもまた良いなと感じました。将来実現したいと思っていることを今一度振り返って、どんな選択をしていくか考えていきたいと思いました。

 

 

最後に、佐藤さんと記念撮影させていただきました。

 

 

実際に訪問してお話を伺い、会社全体として社会での大きな役割を持っているIBMの格好良さを改めて実感しました。コンピュータ第3世代と言われる中、Watsonをはじめとする技術が切り拓いていく未来において、自分もどのような形で社会に貢献していきたいか今回伺ったことを生かして考えていきたいです。お忙しい中私達のために貴重なお時間を割いてくださった辻さん、沼田さん、佐藤さんにこの場をお借りして感謝申し上げます。ありがとうございました!

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