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5期USコース 19日目

本日はIBM Research Almaden(IBMアルマデン研究所)に訪問し、サービスサイエンス研究の第一人者であるJim Spohrerさんにお会いしてまいりました。

アルマデン研究所は、サンノゼ南部の山の頂上のようなところにあります。山の途中でセキュリティチェックをし、そこから大きな建物に到着して、Jimさんにお会いしました。

1時間程度と短い時間でしたが、それぞれの研究室が並んでいる中で、山の景色が見渡せる非常に眺めの良いJimさんのお部屋に案内していただきお話を伺いました。

 

IBMとは、正式名称International Business Machines Corporation、本社はニューヨーク州アーモンクにあり、世界170ヶ国以上で展開しているグローバル企業です。主にコンピュータ関連のサービス、コンサルティングの提供を行っており、研究機関としても、米国トップの特許取得数を誇っています。

私はちょうど1年前の夏、IBM東京基礎研究所にも訪問させていただきました。その際もIBMの概要について伺った他、米国との企業としての立ち位置の比較についても伺っていました。
こちらでは国営企業のような雰囲気があるということでしたが、IBMに伺うまでに利用したUberの運転手の方のお話など含め、実際に訪れてみて知名度はもちろんアメリカの中での存在感を実感しました。

 

Jimさんは、イェール大学でコンピュータサイエンスの博士号を取られた後、10年ほどAppleで働いたのちIBMに入社し、現在はCognitive OpenTech Directorをされています。
サービスサイエンスの研究の分野では提唱者として大変有名な方であり、サービスサイエンスとコンピュータサイエンスの諸技術の関わりやその概要、スタートアップを働く場として検討している身としてアイデアに対する意見を伺ったり様々な質問をさせていただいたりしました。

サービスサイエンスは、組織が他者と一体となり価値を生み出すための、科学・工学・経営をはじめとする融合分野です。「サービス」というものについてよく知っていて研究がなされていない事実から研究が始まった比較的新しい分野だということでした。私は情報科学を専攻していますがその中でも人間の行動や意思決定のモデル化など、人間に近い部分の研究に大変興味を感じていて、さらに将来的にもエンジニアとして専門知識に特化するというよりはプロジェクトマネジメントや教育など他の興味分野にも関われる働き方をしたいと思っているため、サービスサイエンスの分野の研究には興味がありました。そんな研究の一線にいる方からお話を伺うことができたのは大変貴重な機会でした。

中でも印象に残ったのは、AI技術の機能別のレベル到達度を見せていただいて、まだあまり進んでいないとみられる人間の感情のモデル化や認識についての可能性に対する意見を伺った際に、積極的な意見をくださったことです。その際、Microexpression(微表情分析)の領域についてを強調されていました。Microexpressionはアメリカで有名なドラマ「Lie To Me」の主人公が用いている理論でもあり、ポール・エクマンという心理学者がモデルになっています。今回の渡航前に事前学習として星野と共有した話でもありました。Microexpressionがキーだというお話は貴重な意見だと感じたので今後の開発に取り入れていきたいと強く感じました。

サービスサイエンス研究やIBMの中での様々なキャリアをお持ちの立場から、どういう人やチームが成功すると思うかのお話を伺いました。「共感、社員に仕事を適切に割り振ること、あとは最初の数回は失敗しても何回目かできっと成功する」といった条件をお話しいただきました。これらの根拠も含めて、今後心に留めておきたいなと感じました。

さらに、最後にお別れの時に、「将来ビジネスを始めたりしたら絶対に連絡してね!」という旨のことをJimさんから言っていただきました。EPATSでこれまで様々な企業や研究室などに訪問し本当にたくさんの方とお会いしてきましたが、確かに個々の訪問で伺った話の内容はもちろん大切ですが、渡航後に続くつながりが大変重要だと改めて認識した瞬間でもありました。誰かがセッティングしてくれた訪問に参加する形ではなく、学生個人がアポイントメントをとって訪問し作り上げた渡航だからこそ、将来に活きる密なコネクションの構築ができるのだと思います。ニューヨークでの最初の訪問でお世話になった中沢さんからのアドバイスでもありますが、今回お会いした方々とはLinkedInでつながっています。いつでも気軽にメッセージができる大変重要な人脈を残せていることが大変ありがたいことだと感じました。

Jimさんは大変著名な研究者として活躍されていながら学生の私たちにも気さくに応じてくださいました。実際にお会いすることは人柄や本人の醸し出す雰囲気を感じられるという点でも、またメリットであると思いました。

Jimさんを含め今回の渡航でお世話になった方々に良い報告ができるような、具体的なアクションを今後確実にしていきたいと思いました。


<以下星野からです>
サービスサイエンスについて、あまり知識がなかったものの、丁寧にご紹介していただき非常に勉強になりました。特に、人間をシステムと考えたときに、モバイル端末やパソコン、ロボットと言ったシステムと異なる点として、人間や犬といった生き物はepisodic memory(エピソード記憶)を持っていることが大きいとおっしゃっておりました。

私はそういった点の違いを見落としていたため、面白いなと感じました。人間と他のシステムの違いは様々だと思いますが、確かに今、そういったシステムに欠けている大きなところは過去のイベントを記憶し、読み出すことができるのところであるのか、と実感しました。

Jimさんとはもっと長い間さらなるディスカッションをしたかったのですが、1日では網羅できないほど、濃いお時間を過ごすことができました。

紹介していただきました本やシステムなど、非常に勉強になると念を押していただいたので、是非近いうちに読んで見たいと感じております。

まだまだ、知識も、考察も足りないと感じました訪問でしたが、こういった刺激を受けれるepatsの活動は素晴らしいと再度認識した日になりました。


 

1日1日が終わるに連れて残る訪問が少なくなっていくことを実感しています。昨日ご飯をご一緒した本多さんと江頭さんのお話にもあったのですが、こちらに来ると帰りたくなくなる人が多いようで、私も今そういう気持ちになり始めています。日本も大好きな国であり今回の渡航でより日本が好きになった部分もたくさんありますが、今滞在している環境、空気感の良さも強く感じているところです。

明日はスタンフォード大学で櫛田先生という方にお会いし、またドコモイノベーションズにてプレゼンテーションをベースにディスカッションをする予定です。

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