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5期USコース 20日目

20日目になりました。専門施設への訪問も残るところあと2日になり寂しさを感じ始めています。

本日は、午前中にスタンフォード大学アジア太平洋研究所の櫛田健児さんにお会いし、午後はドコモイノベーションズにてプレゼンテーション・ディスカッションをしてまいりました。

 

最初に少し時間があったので、スタンフォード大学内のd.schoolを少し見学しにいきました。
d.schoolはお昼に見学者向けのツアーも行っていますが、月曜から金曜まで、ドアがいつも開いていていつでも自由に見学をしても良いということになっているそうで、せっかくなので入ってみることにしました。
d.schoolはそれなりに有名な場所なので、派手なエントランスで分かりやすく独立している場所なのかな、と勝手なイメージを持っていたのですが、どこがd.schoolかすぐに分からないくらい、普通の建物が並んでいる中にd.schoolの環境が入っているという形であり、それには少し驚きました。

建物に入ってd.schoolのスペースに近づいていくと、調べて知ってはいましたが受講生の顔写真が貼られているのと、レイアウトされた車が配置されているのが印象的でした。1階は授業らしきことをしている部屋と、活動紹介の場所も奥にあったようで、2階が、まさに「デザイン思考」という形のひらけたスペース、ポストイットが貼られたホワイトボードが並んでいる空間なようです。

選考に通れば今度東工大で行われるd.schoolの授業を体験できるワークショップに参加する予定ですが、どんなことができるのか、それで何を得られるのかがより楽しみになりました。もちろん、現地で学べる機会がいつかできたらなという気持ちも高まる見学でした。

 

Graduate School of Businessにて、アジア太平洋研究所 櫛田健児さんとお会いしました。櫛田さんは政治経済を専門とされており、日本とアメリカでのキャリアをお持ちの視点も生かして、ビジネスを展開する際に国の法規制等に合わせたアプライの仕方を研究され、政府への提言などもされている他、日本とシリコンバレーをつなぐ「スタンフォード シリコンバレー・ニュージャパンプロジェクト」というプロジェクトをコアメンバーとして進めていらっしゃいます。

お忙しい中短い時間のお話ではありましたが、中でも印象に残ったのは、アイデアが競合することについて、私は思いついた早さが大事だと思いがちだった面があったのですが、アイデアが世にすでにあってもその機能がUser Friendlyかどうかで競争に大きな差を生んでしまうということでした。配車サービスのUberに似たようなことをしていた会社のSidecarは、オプションが多くあり、アイデアは早く出ていたけれどユーザーの使いにくさがあったそうです。それも原因の一つとなり不振だったとのことでした。ただUberも常に好調なわけではないニュースも飛び込んできます。どういったことを意識して進めていくべきなのかのヒントを、こういった部分から抽出すべきだと感じられました。
このことは昨日お会いしたIBMのJimさんも、成功する条件の一つに「Empathy」という言葉をあげられていたのですが、問題解決における関係者への共感の大切さを意味するということの裏付けを得られたと思いました。

また櫛田先生の専門分野のお話を伺って、改めて、どこでやりたいかということも大切ではありますがどんなことをどのように実現させていきたいかという内容に合わせて環境を選択していくことの考え方の材料を得ることができて大変有意義でした。
これを元に今後の行動計画を練っていきたいです。

 

続いて午後にはパロアルトにあるDocomo Innovationsに訪問しました。東工大OGの大塚さんをはじめとする社員の方々にお会いしました。
まずはDocomo Innovations、Docomo Venturesについての概要をお話いただきました。投資についての話では、詳細については書き記せませんが、どのようなことを感じているか、課題点などをベースにお話を伺えたのが、生の現地の状況を実感できて大変興味深かったです。エッジコンピューティングの活用例の話になり、NVIDIAでも伺った話の延長として、技術ファーストだったところからどのような使い方をしたいかを考えてから作るというプロセスを踏むようなプロジェクトをしているというお話があり、その実アイデアについてもなるほど!と思えるものがたくさんありました。将来何かのプロジェクトを進めていくにあたって、参考にしたい部分が多くあったので心に留めておこうと感じました。

また「5G通信時代におけるモバイル端末」というテーマに沿ってアイデアを考案し、発表、ディスカッションをするという場をいただきました。少し専門とは離れる分野でもありましたがこれをきっかけに知見が広がり、かつアイデアを出すプロセスを身を以て体感できたので、大変ではありましたがこの一連の渡航の中でも大きな成長の場になったと感じました。

渡航全体を振り返ってでもありますが、訪問ではギブアンドテイクをきちんとすることを目標としていました。学生だからといって甘えずに、何か聞くだけ、こちらがもらうだけ、の時間にならないように努めなければと意識していました。貴重なお時間を割いていただいている以上、この学生と話してよかったと、何か思わせるものを与えたいと考えていました。今回はこちらの考えるアイデアをお話しして、面白いと言ってくださった部分もあったりと少しはGiveができたかもしれないと考えたい形になりましたが、実際十分なGiveができなかったと反省を感じる訪問も多くありました。
これについては、失敗・反省をEPATSで今後渡航をすることになる後輩に共有し、より有意義にして欲しいと考えるものになりましたが、構築したコネクションがあるため私達自身が実際にお会いする時間が終わった今からでも、もしかしたら取り返せるかな、と感じています。
それは帰国後、学んだことを存分に利用してきちんと行動をして、相手にメリットを与えられるような交渉をしたり、協力を頼んだり、、という形になると思います。少し悔しい思いをした経験が原動力になるだろうと今から少しワクワクしている面もあります。渡航中で完結しない、将来のことを考えられる経験をした自分がいかに恵まれているかを、残り日数が少なくなっている中で実感しています。

 

Docomo Innovationsでのセッションの後は蔵前工業会シリコンバレー支部の方数名と交流会を設けていただきました。
ニューヨークにお住まいで、Docomo USAの社長を勤められ、現在はAsurionの戦略アドバイザーをされている前田さんには渡航前からも様々なアレンジをお手伝いいただき大変お世話になりました。Docomo Innovationsの大塚さん、現地でエンジニアとして活躍されている小保田さん、塚本さん、スタンフォード大学Ph.Dの長田さんを合わせてアメリカでのお仕事や生活の事情、環境としての比較からプライベートなお話までたっぷりと伺うことができ、美味しいお食事とともにたくさん笑って非常に楽しい会になりました。
私たちを優しく迎え入れてくださる皆さんの人柄に触れられ、東工大卒業生としてこんなコミュニティで繋がれる人脈も素敵だなと感じた時間になりました。

あと2日も全力で楽しみたいと思える、元気をいただけました!ありがとうございました。

 

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