こんにちは!6期の佐藤です。
いよいよ週末明けは入試本番ですね。受験生の方々のご健闘をお祈りします。
自分が受験したのは2年前ですが、未だに受験の緊張はよく覚えています。
さて、6期の渡航体験記の第3弾くらいです。本日は修士・博士の取得をテーマとして書いていきます。
将来、研究者を目指している人の中には、次のような話を聞いたことがあるのではないでしょうか。
海外の人と一緒に研究開発を行うときに、
博士号を持っていないとなめられてしまう
眉唾な話のようにも感じますが、実際に大学院のシステムに日米では違いがあることも事実です。そのあたりを含めて、私自身、まだ学部生ではありますが、アメリカ渡航を通じて考えたことなどを述べていきます。
修士・博士の取得状況
人口100万人当たりの学位取得者数は、次のような感じになっているようです。
出典:科学技術・学術政策研所
(https://www.nistep.go.jp/sti_indicator/2018/RM274_35.html)
自然科学分野に着目すると、学士号取得者の数は同程度なようです。博士号取得者数にも差はみられますが、最も大きな差が開いているのは修士号取得者ですね。14/15年度では2倍程度の差が開いています。
日米 大学院システムの違い
前にも述べましたが、アメリカの大学院には日本のものと大きく異なるものが一部存在しています。
アメリカの大学院では最初の3~5年間での授業を履修、研究を経て、学力や能力・知識を審査するための試験を受けます。この試験に合格すると、博士号を得る候補生となることができ、博士
論文執筆のための研究にとりかかることができるそうです。一方。この試験で不合格となってしまった場合は、退学あるいは修士号を得て終わりとなってしまいます。
下図のようなイメージです。
修士・博士の取得に関わるこのシステムの違いが、それらの価値観の差につながっていると考えるのが妥当かと思います。
渡航で感じた差
渡航においては、修士・博士の扱いの差を感じる部分こそなかったものの、アメリカで博士を取ることの難しさについては感じる部分が多かったです。
特に、アメリカの研究室では指導が日本ほど充実していないということが多いようでした。日本においては、一つの研究室において教授、准教授、助教授…と多くの先生が在籍しているのに対して、アメリカでは1つの研究室に対して1人の教授というのが一般的なため、教授からの直接の指導を受ける機会は少なくなってしまうようです。そのため、自分で力をつけていくことができる人ならば良いが、そうでなければ…うまくはいかないそうです。
また、日本人がアメリカの研究室に行くとなると自己主張の弱さによって、気圧されてしまうことも多々あるようでした。
アメリカの大学院に行くとなると、この辺りの研究風土の違いというのも切実な問題になりうるということは強く感じるところでした。
修士博士ってどうするべきなんだろう
博士まで取る?
最初に述べた、「博士を持っていないと海外ではなめられ得る」というのはそれらの取得方法の差を知ると納得いくものではあります。アメリカのシステムによれば、修士号はある意味ドロップアウトの証にもなりかねないので。
しかし、結局重要になるのは仕事ができるか否かなので、多少最初のイメージが良くなくてもその後で能力を示していければ済む問題ではあるのではないでしょうか。
ただ、専門職などでは特に、前提条件として博士号を要求されることも海外では多いようなのでその限りではないですが。
アメリカで取る?
アメリカの研究室には世界中から人材が集まってきます。そのため、ハイレベルな集団の中で成長し、有能な人とも多く知り合う機会があるというのは確かだと思います。
しかし、博士まで取れずに修士までで終わってしまったり、研究環境に慣れることができず半端な能力しかつかないで終わってしまったら、元も子もありません。
メリット・デメリット含めて様々な要素を鑑みて、アメリカや海外へ行く必要はあるのかなと思います。
まとめ
正直、EPATSで活動したての頃の自分は、海外に行けばハイレベルな研究ができて能力も大幅に向上するだろう、という短絡的な考えを持っていました。渡航を通じ、すべてとはいわずとも誤りや様々な事情もあるということを知れたことは今後の自らのキャリア形成につながっていくと感じています。
また、日本の研究にもアメリカに負けない素晴らしい部分がたくさんあるということに気づけたことも、渡航を通じた大きな収穫でした。
私自身は、博士の取得を目指しています。勉強頑張らなければ…
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
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