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3期アメリカコース10日目

本日は、基本的にはサンディエゴからピッツバーグへの移動がメインだったんですが、

出発前に、空港にあったピアノを少し弾かせていただいたので、

それについての話をしたいと思います。

昨日、ホテルへ向かうため空港を出ようとした際、入り口の脇に、下の写真のようにピアノがあるのを見つけたんです。

この時私は、Luke Jerram 氏が行っているアート活動の一つである「Play Me I’m Yours。」の一環として設置されているのであろうと考え、私たちはその場を後にしました。

Play Me I’m Yours。」とは、Luke Jerram 氏を中心として2008年イギリスで最初に起こった活動で、

街の中にピアノを置くことで、周りの人々の間に会話をもたらし、

その場の空間に何らかの影響をもたらすことを目的としているアート活動なのです

彼の出身である、ロンドンなどの先進国の大都市では、

十分使えるのにもかかわらず、捨てられてしまうピアノが何百台もあり、

それらの一部を「Play Me I’m Yours。」のピアノとして再利用しています。

ですが、後でよくよく見みると、

サンディエゴ国際空港においてあったピアノは

また毛色の違う活動らしいことが、お知らせを読んでいくうちに分かってきたのです。

(下の写真がそのお知らせです)

この活動は、サンディエゴシンフォニーが主催で行っており、

20161月から2月にかけて行われたイベント“Upright&Grand Piano Festival”での活動の一つとして、実施された“PLAY ME: Pianos In Public Spaces”にて使用されたピアノらしいということが分かったのです。

(イベントの詳細はこちらですhttp://wwwsandiegosymphonyorg/playme/、ちなみにこのサイトによれば、今回弾かせていただいたピアノはSheena Rae Dowling氏による装飾で、 The Old Globe Courtyard at Balboa Park にあったようです)

せっかくなので少しだけ“メイプルリーフ・ラグ”を弾かせていただきました

この曲名にある“メープル”とは英語でカエデの葉っぱのことを指しており、

“ラグ”とは音楽ジャンルの一つで“ラグタイム”からきている言葉です。

この“ラグタイム”とは、アメリカを中心に

19世紀の終わりから、20世紀の初めにかけて流行した音楽ジャンルで、

短い時間しか録音ができなかったレコードやピアノの自動演奏と共に、

20世紀アメリカ独自の文化の一つとして急速に広まりました、

後にあの「のだめカンタービレ」のテーマ曲に使われ、

一躍有名となった「ラプソディー・イン・ブルー」の生みの親である

ジョージ・ガージュウィンもまた、この“ラグタイム”に影響を受けた作曲家の一人です

中でも今回の“メープルリーフラグ”の作曲者であるスコット・ジョップリンは、

ラグタイムの時代において、最も有名な作曲家であり、演奏家であったため

「ラグタイム王(King of Ragtime)」と呼ばれています

余談にはなりますが、今回の乗り継ぎで、一時的ではありますが滞在した

ヒューストン空港がある州が、

まさにスコット・ジョップリンが誕生した地、テキサスという偶然もありました。

スコット・ジョップリンの生まれがそうであったように、

当時はアメリカ南部では、奴隷制度が根強く残っており、

アメリカのほぼ南端に位置するテキサス州もまた、

その例外ではありませんでした。

しかしながら一方で、アフリカ系アメリカ人たちの悲しみを、

彼らの故郷アフリカのリズムに乗せ“ブルース”が生まれ、

やがて、ラグタイムを含め様々な音楽との融合を経て“ジャズ”が生まれる、

という、皮肉にも悲しい歴史が、アメリカの音楽文化にはあるのです。

そんなことを頭の隅に置きながら、

今夜はジャズを聴いて、眠りにつこうかと思います。

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