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3期 ヨーロッパコース 2日目

ヨーロッパコース2日目は、大英博物館とイギリス国会議事堂の見学後、現地の外国人と一緒に夕飯を食べました。

まず初めに、大英博物館について勝俣が説明します。

博物館の入り口には、古代ギリシア建築様式のイオニア式列柱が並んでおり、まるでギシリャ神殿のようです。一方、入ってすぐにある中庭は2000年に改修されたもので、天井は張りで、中にある図書閲覧室は円柱の形をしており、近代的な構造をしています。

これらを通して建築における新旧の対比を見ることができました。

大英博物館は入場料が無料で、お土産代や募金によって運営されています。そのためか、グッズ販売は博物館中心の中庭という一番いいポジションで行われており、パンフレットも募金して持って行く形となっていました。

博物館には世界的に有名な作品が数多く存在しました。写真は左から順に、ロゼッタストーン、ミイラ、巨石像です。

一番人気のロゼッタストーンには、古代エジプト語のヒエログリフ(聖刻文字)とヒエラティック(神官文字)が刻まれています。ヒエログリフは読みを表す文字と絵記号を表す文字の両方を含んでおり、読みと意味の両方をもつ漢字と似た 性質があるように感じました。

日本のコーナーでは、壁やショーケースにも木が使われており、雰囲気作りにも工夫を感じました。外国人が一番多く集まっていたショーケースは、侍の甲冑・兜です。

ここには、1500年~1800年に使用された部品が展示されていました。

また、私たちにも馴染みの深い鉄腕アトムも展示されており、漫画の説明がされていました。
その他に、一際目立つ配色をした皿を見つけました。

これは「黎明 三代徳田八十吉作」という作品で、1992年に作られたものです。まるで液体が流れているように見えるこの皿は、九谷焼をグラデーションにすることによって作られており、現代的なデザインとなっています。私はこのようなデザインを初めて見たので、いい発見ができたと思います。

近代的な作品も大変興味深いものが多かったです。中でも印象的だったのは、「Cradle to Grave by Pharmacopoeia,」という作品です。
ここでは14000個以上の薬が展示されており、これはイギリスにいる人が生涯で摂取する薬の数の平均に相当するそうです。非常に多いように感じたので、日本での生涯摂取量も気になって調べてみたのですが見つからず…。福祉が充実しているイギリスでは、薬の利用も多くなるのではないかと予想しました。

大英博物館は非常に内容が充実しているため、短い時間で全てを見ることができなかったのが残念でした。しかし、世界中の歴史的な作品から現代的な作品まで見ることができたり、逆に日本の知らない作品に出会ったりと、とても勉強になりました。

次に国会議事堂について菱川が説明します。

国会議事堂(House of Parliament)は、ウェストミンスター宮殿(The Palace of Westminster)という建物の中にあります。このウェストミンスター宮殿は、ロンドンの町の象徴であり、ビッグベンの愛称で知られています。その歴史は古く、ウィリアム征服王時代の1090年に完成したと言われています。その後、大火災や世界大戦に見舞われながらも、再建を繰り返し美しい姿を維持し続けてきました。

この宮殿の中に、国会議事堂(House of Parliament)があります。土曜日は有料のオーディオツアーかガイドツアーでのみ国会議事堂内を見学できるということで、今回はオーディオツアーで内部を見学しました。国会議事堂の入り口では、兵隊が立っており、手荷物検査がありました。英国博物館の手荷物検査は人が手作業で確認していたのに対して、ここではX線検査装置を使った空港さながらの厳重な検査でした。
オーディオツアーの音声案内機と国会議事堂内の地図を受け取って、いよいよ見学開始です。

まず初めに訪れたのは、ウェストミンスター・ホール。ウェストミンスター宮殿で唯一火災を免れた場所です。ウェストミンスター・ホール以外の場所は、火災後再建されているそうです。美しい宮殿を後世に残したいというイギリスの誇りを感じます。

次は、聖ステファンホール。この部屋には、白い石像が並んでいます。

壁には、当時の議会の様子と思われる絵画が描かれています。

目線を上に移すと、美しく輝くシャンデリア、かすかな光が射し込むステンドグラスが見えます。

さて、ここからは、いよいよ国会議事堂の心臓部に入っていきます。残念ながら、ここから先は写真撮影禁止でしたので、言葉でのみの説明になります。
セントラルロビー。高い金色の天井に、大きなシャンデリア、白い石像、壁に施された彫刻。ゴシック建築の開放的な空間が造られていました。イギリス議会は上院 (貴族院, House of Lords)と下院 (庶民院, House of Commons)からなり、このセントラルロビーはちょうど貴族院と庶民院の間に位置しています。ここから、右の廊下を進むと、貴族院。左の廊下を進むと庶民院です。今日における議会の原型は、このイギリス議会で生まれたと言われています。
貴族院は、非公選の貴族で構成されており、ある特定の分野での知識がある人が、政党に左右されずに長期的な視野で政策を考えるのが特徴です。日本で言うところの参議院の機能に似ていると感じました。一方で、庶民院の議員は、選挙により選ばれます。貴族院の会議室は、青色の絨毯に赤色の椅子で、赤を基調としていました。一方、庶民院の会議室は、緑の絨毯に緑色の椅子で、緑を基調としていました。一人一人の椅子が区切られているわけではなく、長椅子になっていました。どちらも、議長(Speaker)に向かって、左側に政策立案側(Government)、右側に反対側(Opposition)が座ります。驚いたのが、マイク。なんと、マイクが天井からぶら下がっていました。確かに、これなら、邪魔になりません。テレビモニターもありました。歴史的な雰囲気を守りつつ、現代的なものを取り入れていると感じました。

議会は、国の重要な政策が話し合われる重要な場所であり、民主主義の根幹をなす場所です。現在の議会の原型となったと伝えられている国会議事堂を見学して印象的だったのは、火災や戦争に見舞われながらも、伝統的な建物を美しく再建したり、現代的なマイクやテレビモニターを取り入れつつも、歴史的な議会の雰囲気を守ろうとしたりしていたことです。なぜ、そこまでして伝統的な雰囲気を守ろうとしているのでしょうか? 私なりの答えとして、この伝統的な建物や雰囲気が民主主義を象徴するものであり、民主主義を守っていこうというイギリスの思いが、伝統的な雰囲気を守ることに表れているのではないか、と考えています。
今回は土曜日の訪問ということで、オーディオツアーで約2時間かけて国会議事堂内を見学しました。平日は、議会を公聴できるそうです。次に、訪れる機会があれば、ぜひ、議会を公聴したいと思います!

最後に、外国人の方との交流会について黒崎
夜はNando’sというお店でイギリスに住んでいるマイケルとタニアンと夕飯を食べました。Nando’sというお店はイギリス人に人気のあるチェーン店で、イギリス各地にあるようです。マイケルの紹介で、このお店で食事をすることになりました。

彼らは1度、日本に観光に来たことがあり、さらには、マイケルの親戚は日本料理店をロンドンで経営しているなど、とても日本に理解がある人たちでした。なので、食事の時には、日本とイギリスにおける食生活の違いや、イギリス人から見た日本人の印象などの話で盛り上がりました。

予定では夕飯を一緒に食べるだけでしたが、夕飯後にロンドン市内を案内してもらいました。
まず訪れたのはロンドンの中華街です。町の建物の雰囲気は日本の中華街とさほど変わりがありませんでした。ただ、日本比較して大きく異なる点がありました。それは町の活気です。訪れたのは土曜日の夜ということもあり、ロンドンの中華街は多くの人で溢れ、町は音楽が流れ、ロンドンの人々は踊っていました。

次に訪れたのは、convent gardenです。ここはロンドンのショッピングモールのような場所です。訪れたのは土曜日の20時頃であるのにもかかわらず、どのお店も閉まっていて、人気が少ないことがとても驚きでした。マイケルに聞くと、ロンドンのお店は、夕方ぐらいで閉まってしまい、店の店主は毎日のようにお酒を飲んでいると言っていました。酒好きなイギリス人を感じた一幕でした。

次に訪れたのはロンドンブリッジです。イギリスのロンドンブリッジは多数の色でライトアップされていて、とても綺麗でした。

正直な話、夜のロンドンはお酒を飲んで酔っている人や、ホームレスなどがいて少し怖かったです。将来、観光に訪れたとしても、夜のロンドンの街を歩くことはないと思います。夜のロンドンの町並みはマイケルとタニアンが一緒にいたからこそ、見ることができた貴重な体験でした。彼らは今年の5月にまた日本に来るようです。その際には、私たちが、日本を案内したいと思います。

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