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5期USコース 21日目

本日は、TechCrunch社のテックカンファレンスである、DISRUPT SF 2018に参加しました。

 

 

毎年世界各地で行われているTech Crunch社のカンファレンスですが、今回は9月5日から7日の3日間に渡りサンフランシスコのMoscone West Centerにて行われているものの、2日目に訪問することに致しました。

 

DISRUPTは、主に以下の4つで構成されています。

  1. Session
  2. Startup Alley
  3. Workshops
  4. Startup Battlefield

このうち主にStartup Alleyの見学と、Sessionを聴くこと、Battlefieldのピッチを鑑賞することに重点を置いて廻りました。
さらに自分たちがアイデアや話の内容を聞くということだけでなく、周囲の人の層やその人達の注目の仕方を観察することも主な目的として掲げていました。

まず、Startup Alleyについてです。ここではやはり体験という意味でもAR・VRブースの賑わいはすごかったです。色々な方が最新のテクノロジーを体感していました。印象的だったのは、Startup Alleyは国ごとのパビリオンも用意されておりJapan Pavilionももちろんあったのですが、その中ではなくAR・VRブースの中で、触覚を体験できるVRデバイスを開発している東京の会社(exiii)がありこちらでの展開も積極的にされているというお話を伺ったことです。ドコモイノベーションズでのセッションでも感じましたが人間が利用する新たなモバイル端末やコミュニケーションの形もこういったデバイスの登場により変革していくのだろうと思います。特に今はない拡張子のファイルで直感的なイメージを人に伝えられるようなものが登場すると楽しそうだな、と個人的には想像しているのですが、重みや触った感覚を、そこにものがなくても感じさせるようにできる技術は、そういった可能性を広げてくれるのではないかと思いました。
さらにブロックチェーンやフィンテック関連の企業数もとても多かったことが印象的でした。また数年後のカンファレンスでトピックとして現れる技術の名前はどう変わっているのか、今あるものの中で何が残っているのかということを予想しながら自分の進路も少し戦略的に決めていきたいと感じました。
他にもダイバーに、ゴーグル中に水深などの情報を表示させられる機能や、画面上にあるバーチャルな医者による診断(これについてはカメラから心拍数も測れるということで驚きました。知らずに見学しましたが実際東北大学の研究から生まれた企業だということでした。)、スマートフォンの動画で音を360度どこから録音したかまで記録できるマイクなど、様々にお話を伺いました。
私が興味があり今回の渡航で持っていっていたアイデアも関連するメンタルヘルスに関わるテクノロジーについても、Health Care, Biotechのブースでいくつかの会社が出展していました。珍しいものではないと改めて感じましたし、多くある中で会社によって混雑していたり人があまり来ていなかったりという光景を見ましたが、どんな見せ方をすれば特に人を惹きつけられるかということについて、良いヒントを得られたように思います。
Japan PavilionではEmpathの方にお話を伺いました。Empathは主に音声から感情状態を把握するプログラムを提供している会社で、星野も私も興味分野とは近く、以前から知っていました。ここでは声だけではやはり感情の状態を間違えることもあるということ、その中でどう特徴を見出すかは、1週間程度と長期的にとって特異なものがないかを見るという方法を取ること、さらに心拍数や顔認識などと組み合わせたとしても感情状態把握について必ずしも精度が高まるわけではないというお話が興味深かったです。
確かに、心拍数は浮き沈みだけなので包含されてしまい有益な情報になりにくかったり、笑いながら怒る人もいるように顔認識が入ったところで感情を正しく決定できるようにはならないということについて納得できました。と同時に、雰囲気で人間が相手の感情を読み取っている時の思考過程をいかにモデル化できるかは、研究領域としてやはり興味深いと、改めて自分の興味分野への考えを認識することができました。

続いてSessionについてですが、メインステージという場所で行われており、それはこの会場の3階にありました。実際行って見たところ思った以上に広く、しかも予想を遥かに超える人の量で、実際はStartup Alleyを見に来る人が多いと思っていたのですが、こちらをメインとして見ている方が多いのだろうと理解しました。
お話を聴くのは途中からになってしまいましたが、手数料無料で株取引ができるアプリの会社、RobinhoodのCEO Baiju Bhattさんがお話しされていました。
その中で、投資家に向けてシリーズAラウンド(第一回の大規模な投資)の投資先を探す際のアドバイスをされていました。1つは、予想以上に時間がかかることだと覚悟すべきということ、2つ目は、複数の間違いを起こすことに対して準備をすること、3つ目は、良い共同創業者がいるということを確認すること、だそうです。Robinhoodで成功を収めている人の生の声で考えを聞けたことは貴重な経験でした。過去のビジネスの成功例も失敗例も、ある程度は身につけておきたいと改めて感じ、これからも情報を集めていたいと思いました。

最後にStartup Battlefieldについてです。会場はMCの方の上手さもありますが空気として大変盛り上がっていました。2日目でしたのでファイナリストが選出される前の企業の中からCB Therapeutics, LORI, KidSense, Secure by Fibre, Binary Bubblesという5社のスタートアップのピッチを見学しました。
後のニュースでこの中から優勝者(Forethoughtというところになったそうです)は出ませんでしたが、ファイナリストにCB Therapeuticsが選出されたことを知りました。
確かに、プレゼンの冒頭が、ただの自己紹介で始まるようなものではなく、引き込まれるような感覚があったのを覚えています。内容ももちろん興味深かったですし審査員の質問にも堂々と返答できていたことも重要だったと思いますが、ピッチでもいかに印象に残すかというところが大変重要だと改めて認識できました。
CB Therapeuticsは大麻を人工的に安価にかつ清潔に栽培する技術を持ったバイオテックの企業で、専門外で普段触れない分野だったためこの機会にそう言ったところにも触れられたことがまず有意義でした。これにより新薬の開発が進むと期待されるなど、将来性を強く感じました。
日本では大麻が合法化されていませんが、アメリカでは合法の地域が多くあり、このカンファレンスがまさに開かれているカリフォルニア州では嗜好目的の所持までも合法です。実際に滞在中に何度か大麻を吸引している人を見かけて、見慣れない私にとっては少し怖かったという経験もありました。
大麻合法化について特に意見を持っていたりしたわけではなかったのですが、このようなテクノロジーを目の当たりにして、私も関心を寄せていきたい分野であると、思いもよらない形で刺激されたピッチでもありました。

ピッチ自体は以前星野と2分間のものを行ったことがあるのですが、その際テンプレートを参考にして、全て盛り込まなければ…!と必死になっていたりしましたが、今回この場で観察して全てのことを説明しているわけではないということが分かり、「プロダクトの魅力を伝える」という目的を見失わないからこその構成なのだろうと気づかされました。
もちろん考察が足りていないわけではなく、投資家としては内容から必要だと思えば質問をするし、それに対して答える準備がきちんとできているという点で、本場のスタートアップ市場の状況を観察できた良い機会でした。

 

 

DISRUPTはゆっくり全日でも参加できたら楽しかったのだろうと思いましたが、セッション等についてはYouTubeにアップロードされたり記事が更新されたりしますし、アジェンダからスタートアップを改めて調べてみることもできるので、引き続き注目していきたいと感じました。
また日本のカンファレンスにも参加して空気感の違いを比較してみたいとも思いました。色々な思いが感化されて、大変収穫の多い日でした。

またこれは余談ですが、お昼にサンフランシスコのシーフードレストランに行きましたが、大変美味しかったです。サンフランシスコは飛び抜けて物価も高いところですが、有名なシーフードは外さずに食べるべきだと感じました。サンフランシスコの最後の思い出の一つとして、満足度の高いお昼になりました(*^^*)
店員さんのフレンドリーさも、日本ではあまり経験できない魅力の一つです。

明日が訪問最終日、気を引き締めて楽しんでこようと思います!


以下星野からです。

Tech Crunch自体、多くの記事を普段から見ていたため、非常にこのコンベンションを楽しみにしておりました。

1階では様々なスタートアップをお目にすることができ、デバイスよりからヘルスやセキュリティ、また国別のレーンなどがあり、何周しても面白かったです。

多くのブースがあったため、1つ1つ伺うのは難しかったのですが、どれも非常にウェルカムで是非試して見てほしい、と言った感じに積極的だったのは印象的でした。学生だからと言ってシャットアウトするところは1つもなく、sdkの提供や、実際のdemoを通じてどう言ったことをやっているのか丁寧に紹介していただき、面白い体験ができたのは嬉しかったです。

また、スタートアップのピッチコンテストであるバトルフィールドを観戦した際は非常に勉強になりました。

元々、福田と2人でピッチコンテストについてなど調べていたこともあり、どう言ったことをどんな感じで発表するべきかなど知ってはいたものの、生のピッチを見ると、立ち振る舞いや言い方にも気をつけるべきところはたくさんあるのだ、と当たり前のことながら実感しました。

また、パネリストの質問にも学ぶことはたくさんあり、例えばどう言った情報が実は必要だったのか、とか、どう言ったところを本当は突き詰めたほうがいいのか、など今後に生かせることが多かったです。

このコンベンション自体は3日間と長く、ステージなど他の2日間にも面白いのがあったのは残念ですが、企業訪問や研究室訪問とは異なる方向からスタートアップやテクノロジーについて見ることができ、非常に刺激を受けた1日となりました。

 

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