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12月10日 文化学習

こんにちは!EPATS6期の佐藤です。
最近10℃を下回る日も増えてきて、本格的な冬の到来を感じるこの頃です。寒い日の朝は2度寝の誘惑に負けてしまいます。早いもので今年も残り2週間。なんともあっという間の1年だったなあと感じます。

さて、文化学習のテーマは前回に引き続き憲法、今回は特に国の安全・平和について勉強しました。
日米安保や自衛隊の海外派遣、憲法第9条の今後についてグループに分かれて調べ、考えを共有しました。

日米安保については、安保条約締結時には日本がアメリカの指示に従う形でしたが、1998年に米軍支援が義務化され、維持費などの点から現在では日本に不利な外交のツールとしても使われうる状態にあるという問題がわかりました。また、2015年の安保法制により米軍支援義務が拡大し、集団的自衛権の容認がなされたことも私はよく知らなかったので勉強になりました。

自衛隊の海外派遣については、湾岸戦争時に日本政府が金銭しか支援しなかったことで国際社会の批判を浴び、自衛隊が海外派遣されるようになったのだとわかりました。また、日米安保の問題と関連して、安倍政権は後方支援の安全性を主張していますが、実際には戦略的に後方支援も攻撃対象として狙われる可能性が高く、時期的にも安保法制は安倍政権の実績作りの1つであったのではないかという意見が上がりました。

最後に憲法9条の今後についてです。まず、9条の是非について考えました。時代に合わせた憲法とするのであれば何十年も改憲がなされていないこと自体がおかしいということ、実際に現在他国の侵略を受けたらどう対応するのだろうかという視点からは、9条改正は悪くないように思えます。また、憲法の条文は他国が強引な侵略をしてこないことが前提となっていることなど、憲法の内容は現実に即していないという考え方もあるようです。しかし、そもそも武力で争うこと自体が望ましくないことであり、せっかく平和に近づいていた憲法を軍の保持を認め、平和から遠ざかるものに変えてしまうというのも考えものです。
ただ、NHKが過去に4回行った世論調査によると、憲法改正の賛成派が過半数を超えたのは9.11直後の2002年のみで、よっぽどの緊急性を感じる出来事が起きない限りは改憲が実現するのは考えにくいのではという意見も上がりました。改憲に対する問題を考えていると、前回テーマの天皇制と共通の「伝統あるものを守る」という日本の特徴があらためて感じられました。
また、私としては、そもそも今後物理的武力を要する戦争が今までのように多く起こりうるのだろうかという疑問も持ちました。近年では、社会の情報化が進み、サイバー攻撃のような物理的でない攻撃手段が現れ始めています。今後の社会の発展を考えれば、“戦争”はそのような形に移行しうるとも考えられるのではないでしょうか。もしそうであるならば、新たな形態の軍の扱いについても議論する必要が出てきます。実際、これらについては現在の憲法では明記されておらず、例えばサイバー攻撃に対しても「緊急事態として直ちに官邸対策室を設置し、政府一体となって初動対処に全力を尽くす」という政府の方針があるのみで、議論が不足しているのは明白です。今まで72年間不変のまま保持されてきた憲法を、今この時期に改憲のであれば、現在の状況と、今後想定しうる状況を考慮したものとする必要があるのではないかと感じ、その点、自民党の改憲案はただ現状に即して直しただけであるように思い、疑問を感じます。

憲法は自分たちや日本の将来に深くかかわることであるため、3回の文化学習を通して今まで知れなかったことを多く知ることができ、有意義な時間だったと思います。
次回の文化学習では、移民や難民、外国人受け入れについて学習する予定です。

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