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5期USコース 4日目

本日はアメリカに到着してから活動する初めての平日でした。

午前中にJETRO New Yorkにご訪問し、午後はJETROの方にご紹介いただいた方にお会いしたり、コワーキングスペースやアクセラレーターへご訪問したりしてまいりました。

その模様をお伝えする前に、まずは福田がアメリカに初めて訪れた所感からお伝えします。
ニューヨークは、天気予報でも見ていましたがとても涼しいです!最近は東京も涼しくなってきたというニュースを見ましたが、こちらは雨も多く、4日目までで、半袖では寒いと思う時が何度もありました。
道がデコボコしていたり、ゴミが結構落ちていたりするのは少しびっくりしました。地下鉄も改札機が少しアナログな仕様だったりします。東京とのギャップはこれ以外にもいくつか感じますが、それでも不便なく楽しく過ごしています。
物価は高めなので少し辛いですが、ご飯は日本食も含め色々な料理があり満足できる環境です。デリバリーも充実しているようで、機会があれば試してみたいと思っています。
今まで食べた中では、Chipotleというメキシカンのお店のBRITO BOWLがとても美味しかったです。また何か感じたことがあり次第、随時発信していきます!

それでは、JETRO、SOSA、NUMA、Softbankにご訪問してきた中でそれぞれ感じたことや成果を以下に記していきます。

JETROでは、中沢潔さんにまずお会いしました。渡航準備の期間からメール等で何度もやり取りさせていただき、ご相談にも乗っていただいて大変お世話になり、今回ニューヨークで初めて実際にお会いすることができました。

その後、現地で起業され活躍されている3人の日本人の方と意見交換をさせていただきました。

奥西正人さんは、ソフトウェアエンジニアとしてのキャリアののちに、ニューヨークでテック系の日本が絡んだミートアップを始められ、その流れでRISINGSTARTUPSを起業されました。米国のマーケットに入ろうと考えている日本人のサポートをされているとのことです。
日本の方で米国を目指す中でありがちなのは、とりあえずアメリカ、と考えてしまっていて、アメリカの地域的な特性・特徴を十分に理解していないということだそうです。アメリカでスタートアップ市場が活発なのは、まずはシリコンバレーが有名で、日本でもシリコンバレーを目指そう、という取り組みがよく行われていますが、このニューヨークや、次に訪問するボストン、ワシントンD.C.、またシアトルなどでも、近年特徴のある事業が進んでいます。
特に、感覚的には、「シリコンバレーではスタートアップに、より夢を語らせるのに対し、ニューヨークでは出口をどこに置くか、すなわちどのような会社に売ることを目標としているか、といったことに重点を置いていることも特徴の一つである」というお話は大変興味深いと感じました。
日本のスタートアップが世界に視野を向ける時に、アメリカはほとんど避けては通れない場所になっていると仰っていましたが、そういった状況を理解した上で、どのような場所を選択するかを検討しなければいけないと改めて感じました。ニューヨークやボストンは勢いとしてもシリコンバレーを抜いていくだろうと言われていて、今後の市場の動きを見ていきたいと思います。
また、もう一つ、日本のVCはアメリカに比べて、起業経験などがない人が運営していることが多く、ある意味では銀行のようなものになっているという感覚を話されていたのも印象的でした。一連の経験があるからこそ、スタートアップの側のことをよく理解してくれるというのはもちろんそうだと思いますし、日本でもスタートアップを盛り上げようという取り組みはなされていますがその中でもまだ色々な課題があると感じました。

続いて西本会里子さんは、起業教育で有名なバブソン大学のビジネススクールに通われたあと、インド出身の夫と起業されたり、ボストンと日本をつなぐためのNPO Binnovativeを立ち上げて活動されています。
何か大きなきっかけが、ということもなく気付いた頃には外を見ておられたそうで、たまたまNYでお仕事をされたことなどから現在に至っているとのことでした。
日本のアントレプレナーシップについてもこのままでは、という思いを感じられたそうで、そういった背景からBinnovative設立にも繋がったそうです。
起業について、世界のトップビジネススクールを出て高いスキルも持ち合わせていても、何回も失敗するということは普通で、難しいものは難しい、ということを感じていらっしゃるそうで、メンタリティなど、色々な要素が大切になってくるとのことでした。
奥西さん、西本さんお二方共通ですが、ゆくゆくは日本に戻りたいかという問いに対して、戻りたいという返答であったのも興味深かったです。アメリカでご活躍されている中でも、日本に対して何かをしたいというビジョンを持たれているのはとても格好いいと感じました。
私自身も、今回得られたヒントを元に、将来は世界で活躍しながら母国である日本に貢献できるようなことをしたいと強く感じました。
今回星野と開発しているプロダクト案があり、その案へのアドバイスもいただきました。お互いの興味分野の共通項から、広く一般の人の感情を認識し、メンタルヘルスの問題から引き起こされる場面を解決したいという思いの元でアプリ開発を考えていたのですが、解決したい問題やそのターゲットを明確に絞って伝える必要性があると感じました。一方で西本さんが携わられているBinnovativeのNASA Hackathonで似たような感情認識のソリューションを提供したチームの実例などを教えていただき、アイデアとしての良い部分も伝えていただけました。

お二方とも、お時間の都合もあり短い間でしたが、とても濃密なお話が伺えて本当に有意義な時間でした。

その後、もうお一方、中澤英子さんにお会いするためにコワーキングスペースWeWorkにご訪問しました。中澤さんは、法学部のご出身で、テック系のパートナーの方と飲食アプリを開発されたりした後、現在は知育専門のサービスを提供する事業を行われています。
中澤さんはもとから起業をしたいと考えていたわけではなかったそうなのですが、Stanfordのビジネススクールに通われた際に、周りの人がみんなスタートアップをやっていて、そんな流れの中で起業されるようになったという経緯があったそうです。
ビジネススクールについてあまり分かっていないながらも興味を感じていた私としては、西本さん、中澤さんのビジネススクールに通われたご経験からの考え方が大変印象的でした。
経営の理論や精神について確かにビジネススクールで身に着けることはできても、実際に起業する際は、そういった理論が成功を裏付けるということはあまりなく、むしろビジネススクールではそこで培える人脈が有意義だったというお話がありました。中澤さんには事業創出をした後の資金提供元を探すまでのプロセスについてお話いただいたのですが、その際の、持っているコネクションの大切さについては納得できました。またそのプロセス自体も、今まで知らなかったようなことがたくさんあり、とても興味深かったです。
事業を始められてからは、また始めたからこそ分かる問題に気づき、常にブラッシュアップしながら、ということをされているそうです。リスクを伴うものではあるので事前に入念に計画されるものだと感じていましたが、実情はそういったものなのだと知り、私も勇気を持ってアクションを起こせるようになれたらいいのかなと感じました。
また「2つOverlapがあると良い」というお話がありそれについても今後意識していきたいと思いました。ここで言うOverlapとは例えば「女性であること」「日本人であること」といったことで、何か新しいことを始める時呼びかけたい相手をどう動かすか、自分の強みや特徴を分析して生かせることは起業や経営の場面に限らずとても大切だと思いました。
今後どんな事業展開や社会像を目指されているかと言うお話も、もともと教育に興味を持っていた私にとって特に刺激的でした。

コロンビア大学とWeWorkが提携して運営しているLabの様子も少し見せていただきました。コロンビア大学の卒業生がチームに1人は入る形で、事業創出をする場所を提供しているとのことでした。
こういったシステムはまだあまり日本では耳にしませんが、大学と起業家育成の事業のコラボレーションが今後より活発になっていくだろうと実感しました。

お忙しい中このように海外でリーダーシップを発揮されている方と意見交換させていただけて本当に良かったです。お時間を割いてくださった皆さんとアレンジしてくださった中沢さん、ありがとうございました。

 

お三方にお会いした後は、コワーキングスペースであるSOSAに訪問しました。SOSAを運営されている方はイスラエル系の方が中心だそうで、国としてのコミュニティの強さや勢いを感じました。
内装はとても素敵で、SOSAは数あるコワーキングスペースの中でも企業とスタートアップをつなぐことを重要なこととして位置付けているそうで、現在はニューヨークとテルアビブのみで展開していますが、いつか日本にも進出するといいなと感じました。
Omriさんは他のスケジュールも控え大変お忙しい中でしたが、快くお話しいただきました。

続いてNUMAに伺い、Francesさん、MaorさんにNUMAの紹介をしていただきました。
NUMAはアクセラレーターとして、プログラムを提供しています。日本の会社はまだNUMAの利用がないようなのですが、NUMAのチームの強さを知り、もっと世界規模でこの取り組みが広がれば良いと感じました。他のアクセラレータープログラムの特色についても、知ってみたいという意欲が湧きました。

最後にSoftbankの概要について、WeWorkにてお話を伺いました。Softbankは携帯電話の会社、というイメージだったりしますが、この場所WeWorkもそうですが投資会社としての性格を強めていて、近年は将来性のある技術やビジネスを担う会社に多く投資をしています。
その中でも私達の専門分野に合わせ、最近合弁会社を設立したFindability Sciences社について詳しくお話ししていただきました。
予測分析ツール・プラットフォームサービスの中でも、Findabilityはモデリングを自動で行うこと、マルチモデルを扱うこと、セルフラーニングにより精度を高めることが特徴だそうです。個人的にはこのアルゴリズムについて気になったので自分自身でも今後調べてみようと感じました。
ここでのお話では、社会でのニーズや、スタートアップの到達目標・出口といったものの像が知れたような気がして興味深かったです。この投資、買収や提携に至るまでのエピソードをいくつか伺ったのですが、そういった世界なのかと、新たな発見としての収穫が多くありました。

1日で本当にたくさんのことをインプットできました。この成果をもっとうまく形にできるようにしなければと感じます。
今後の訪問でも、今日得た考え方や知識も用いながら、より有意義なものにできるように頑張りたいです。

以下星野からのコメントです。


色々学ぶものが濃かった日ではあったが、特にニューヨークのエコシステムを学ぶことができたのは大きかったと思います。この地で起業していらっしゃる日本人の方々や、コーワキングスペースなどを数々のスタートアップに提供する事業をしていらっしゃる方、またアクセレーション事業を行なっている方など、深くニューヨークのスタートアップに関わっている方々伺うことにより、より身近に知ることができました。

今まで、スタートアップといえばシリコンバレーやボストン、またワシントンを想像することが多かった中で、既に経済やファッションが盛んなニューヨークでこれほどまでにスタートアップが成長していると言うことを初めて知りました。また、今後さらにポテンシャルがあるのだな、っと言う風に感じました。

また、西本さんの言葉が頭から離れないので最後に紹介したいと思います:
『誰がどのドラマを解決するかが重要である』
今まで問題解決ということに集中していたが、うまく言葉では表せませんが、ドラマという風に例えることによって、違うニュアンスがあるな、ということを思いました。

明日はEmoshapeという企業、また、Centiment.ioの創業者のMicah Brownさんとのインタビューを控えております。
受動的な日にならないよう、心がけたいと思います。

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